「有機化学/有機化学の化学結合」の版間の差分

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化学の理論について、東京化学同人『有機反応論』(奥山格 著)より抜粋。
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なお、細矢治夫は離散数学の組み合わせ論を化学に導入しようと目指している、この分野の日本でのパイオニア的な人物である。だが、たといそのような立派な人の紹介するクラールの学説であってすら、けっして学説を鵜呑みにしてはいけない、というほどまで慎重であるべきが有機化学の取るべき態度であろう。
ベンゼン環の理論とはやや別の分野だが、東京化学同人『有機反応論』(奥山格 著)には、下記のように書かれている<ref>奥山格『有機反応論』、東京化学同人、第1版 第1刷 2013年1月15日 発行、7ページ </ref>。
:『'''反応機構はいかに合理的にみえても、それはひとつの仮説にすぎない.'''』(原文が太字)
:『'''一つの予測が実証されたとしても、その反応機構が証明されたとはいえない。もっと別の予測をたてれば否定される可能性も残っている.'''』
:『'''実験科学における仮説は、否定することはできても、証明することはできない.'''』
:『'''実験で実証可能な予測がすべて実証できれば、反応機構は確立されたといえる.'''』
::(※ 以上、東京化学同人『有機反応論』(奥山格 著)より抜粋。)
 
 
さて、ベンゼン環の理論のハナシに戻る。
 
なお、細矢治夫は離散数学の組み合わせ論を化学に導入しようと目指している、この分野の日本でのパイオニア的な人物である。だが、たといそのような立派な人の紹介するクラールの学説であってすら、けっして学説を鵜呑みにしてはいけない、というほどまで慎重であるべきが有機化学の取るべき態度であろう。
 
2010年以降の今でこそ、離散数学は大学1~2年で多くの理系の学科で教育するようになったが、1990年は違っており、あまり重視されなかったし、それどころか、「あんなの、大学で教える価値は無い。」「高校レベルの稚拙な数学だ。」「数学でなくて単なるパズルの類だ」みたいな批判すら、されている時代もあった(数学者の秋山仁の自伝などで、こういう過去の状況がよく紹介されている)。
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幸か不幸か2010年代~2020年代の現代では、まだ離散数学の化学での活用は時期尚早(じきしょうそう)である、とされているようだ。(おそらく「離散数学を導入しなくても従来の理論のほうが簡単にかつ正確に説明できる。」、「離散数学の公式を覚える手間がかえって増える。」、「導入に手間が増える割に、例外的な事例も見受けられる。」、などなどの相互批判が学会内で色々とあるのだろう。)
 
 
 
 
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