「高等学校物理/物理II/電気と磁気」の版間の差分

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医療MRIの磁気の波も、物理学的には電磁波
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:ただし、ヘルツのような方法で測定できる波長は、人間が肉眼で確認できて手で動かせるような程度の波長の大きさの場合だけであろう。つまり、センチメートル単位や1メートル以上とかのような波長である。いっぽう、もし波長がナノメートル単位やマイクロメートル単位などの場合は、回折格子などを使って波長を測定することになる。詳しくは『[[高等学校物理/物理II/原子と原子核]]』のコラムを参照せよ。フラウンホーファーやラザフォオードなどの物理学者がスペキュラム合金などの素材を用いて回折格子を作成している。
 
 
{{コラム|(※ 範囲外: )医療MRIの磁気の波も、物理学的には電磁波|
マクスウェルの方程式では、上述のように電場の変化が生じると、磁場の変化も生じて、さらにその磁場の変化によりまた電場も変化していく・・・という現象を微分方程式で記述している。
 
マクスウェル方程式の意義として科学面では、放射線(X線)もテレビ電波やラジオ電波も可視光(太陽光や電気照明など)も、すべて電磁波であるとして統一的に式計算をできるようになるという科学的な意義がある。X線と可視光との違いは、単に波長(および、波長によって決まる量子エネルギー)の差である、と現代(21世紀)では考えられている。
 
ここで産業への応用として気になるのは、20世紀後半以降の医療では、X線によるレントゲン撮影の代わりに磁場を使って人体などの内部を観察するMRIなどの技術がある、という事。
 
MRIは、磁場ばかりが取り上げられて、X線と違って安全性があると主張されるが、しかしマクスウェルの方程式からでは、磁場を使った以上、たといMRI磁場であっても電場が派生的に発生するハズで、なんらかの電磁波が発生する事になる(波長はともかく)。
 
 
しかし、大学の物理学の教科書や大学の電気電子工学の電磁波工学の教科書を読んでも、あまりこういった実用面の疑問は答えていない。(MRIの専門書はどうか知らないが、少なくとも、『物理学』や『電磁波工学』などの科目では、まったく検証されていない。)
 
: ※ MRI は高校でも習うし、電磁波も(微分を使わない範囲で)仕組みだけ文章で高校で習うが、しかしMRIの電磁波がどうなってるか、大学でもマトモに扱われていない。
 
なお、MRIは、体内の水素原子と共鳴する波長だけを選択的に人体に照射して、その反応の電磁波を観察する、という仕組みである。核磁気共鳴法(かくじき きょうめいほう)という仕組みの一種。(なお、電子レンジも、これと似たような仕組み。)
 
 
読者は「体内を電磁波が通っても平気なのか?」という疑問もあるかもしれないが、なんと赤外線も体内を通過しているので、その点は読者は安心していい。銀行ATMなどにある「静脈認証」システムも、赤外線による観察システムである。
 
 
病院や銀行では、(科学リテラシーのとぼしい)利用者を安心させるために、ことさらにX線とMRIと赤外線との共通点(すべて電磁波である)を挙げない。しかし物理学では、X線も磁場の波も赤外線も、すべて電磁波である、あるいは電磁波を発生させるモノである、となっているのが物理学的な本当の見解である。
 
 
現実として、MRIや銀行ATM静脈認証の利用で、けっして(X線の被爆みたいに)「MRIで(あるいは銀行ATMで)ガン患者が発生した」だとか、「電子レンジみたいに加熱して熱傷(ねっしょう)した」だとか、そういう事件は、寡聞(かぶん)にして、科学の界隈では聞かない。
 
 
なお、X線とMRIは元になる電磁エネルギーの発生の機構が違う。たとえばX線は主に、放電によって発生させる。X線管も、比較的に大電圧での放電管の一種である。(一般の電気照明などではX線は発生していないので、安心していい。)
 
MRIの電磁波発生装置は、基本的には電磁石による電磁エネルギーの発生である。
 
静脈認証システムなどの赤外線発生装置は、基本的に赤外線LEDなどの半導体(LEDは半導体の一種)である。
 
 
学校教育では、式の計算がテストに出しやすいので、学生はつい、あかたも式だけで何でも計算できるかのように錯覚しがちだが、しかし現実には、式には含まれていない、装置などの機構の情報も科学的な検証には必要である。
 
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== 発展: 相対論の一次近似 ==