「経済学/経済とは何か/需要・供給の弾力性」の版間の差分

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逆に、価格が高くても、専門の研究者や図書館にとっては必要と判断すれば買わざるを得ない。このように代替性の利かない財は弾力性がかなり小さくなる。
 
===供給の弾力性とは===
 
需要の弾力性と同様に、供給の弾力性という考え方もある。供給の弾力性は、価格が 1% 上昇するときに供給が何 % 増加するかで定義できる。つまり、
 
:供給の弾力性=供給の増加の幅(%) / 価格の上昇の幅 (%)
 
となる。
 
例えば、価格が 100 円から 200 円に 100 円だけ上昇したときに、供給も 1 から 2 に 1 だけ増加するとすれば、価格の上昇幅(比率)は、(200-100)/100 = 1 で、供給の増加幅(比率)は (2-1)/1 = 1、供給の弾力性は 1/1 = 1、つまり 1 となる。
 
供給の弾力性が大きいほど、価格が上昇したときに供給量が大きく増加するので、供給曲線は緩やかになります。逆に、供給の弾力性が小さい場合には、価格が上昇してもあまり供給量は増えず、供給曲線の傾きは急になる。
 
一般的に、短期的な需要あるいは供給の変化は、価格の変化に比べて小さくなる。コーヒーの値段が上がっても、コーヒー愛好家が急に紅茶に乗り換えるのは難しいかもしれない。企業の方も、価格が上昇したからといって、すぐに供給を拡大させるには生産能力的にも限界があるだろう。しかし、長期的には価格の変化に対して消費者が他の似た代替財を見つけることは簡単であるし、企業の方も生産能力を拡大させることがより可能になる。
 
したがって短期的には非弾力的な需要あるいは供給も、長期的にはより弾力的になる。その結果、短期より長期で考えるほうが、需要曲線も供給曲線もその傾きは緩やかになる。需要や供給の弾力性を議論するときには、短期か長期かの区別が重要なのである。