「高等学校理科 生物基礎/免疫」の版間の差分

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T細胞とB細胞のマウス実験を範囲外として追加
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:※ 余談: (※ 覚えなくていい。一部の教科書にある発展的な記述。)
 
::MHCが糖タンパク質であることが分かっている(※ 数研出版の教科書で紹介)。MHCには主に2種類あり、クラスIとクラスIIに分類される(※ 数研出版の教科書で紹介)。
MHCの主な働きとして、移植などにおける自他の区別のほかにも、もう一つ別の働きがあり、それはT細胞に抗原ペプチドを情報伝達する役割がある。
 
(※ 検定教科書にあまり無い話題)B細胞は、単独で抗原と結合する事ができる。一方、T細胞は単独では結合できない(というのが定説である)<ref>熊ノ郷淳ほか『免疫学コア講義』、南山堂、2019年3月25日 4版 2刷、63ページ</ref>。
 
なお、MHCをもつ一般の細胞は、病原体や非自己の有機物が入ってきたとき、それを分解して得られたタンパク質をMHCの上に乗せる。MHCに非自己のタンパク質が乗ったとき、T細胞側の受容体が、MHC と MHCの乗ったタンパク質 を抗原として認識する。
 
T細胞は、MHCによって、病原菌などの抗原を分解したペプチド(小分子のタンパク質)分子がMHC分子の溝にハマって細胞外に露出しており、T細胞はそうしてMHCに提示された「抗原ペプチド」を認識する仕組みにより、T細胞が抗原を認識する事が分かっている。
 
 
さて、MHCには主に2種類あり、クラスIとクラスIIに分類される(※ 数研出版の教科書で紹介)。
 
::(※ 出版社名不明: )MHCクラスIは主にキラーT細胞によって認識される。MHCクラスIIは、主にヘルパーT細胞によって認識される。
MHCクラスIは、ほとんどすべての有核細胞に存在する。
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上述のように、T細胞には、MHCを認識する受容体がある。なお、T細胞には、さらに多くの種類の受容体があり、MHCを認識する受容体以外にも、異なる機能をもった受容体が、いくつもある。
 
T細胞に存在する、抗原を認識する受容体のことを'''T細胞受容体'''(TCR)という。(※ いちおう、東京書籍と第一学習社の高校教科書にTCRの紹介があるが、他社の教科書には見られない。
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{{コラム|「T細胞受容体」|
:(※ ほぼ範囲外)
 
 
 
:※ じつは「T細胞受容体」「TCR」の意味が、まだ専門家どうしにも統一していないようだ。現状、大きく分けて2種類の意味がある。
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:※ 高校卒業以降の生物学の勉強のさいは、どちらの意味なのか、文脈から判断すること。大学レベルの教科書などを見ると、たとえば書籍の最初のほうではMHCを認識するタンパク質の意味として「TCR」を使っていたのに、書籍中の後半部で、T細胞の受容体の総称としての意味に「TCR」が変わっていたりする場合もある。(このように、意味が不統一なので、おそらく、あまり入試にTCRは出ないだろう。もし出るとしても、ここは暗記の必要は無いだろう。)
 
 
なお、MHCをもつ一般の細胞は、病原体や非自己の有機物が入ってきたとき、それを分解して得られたタンパク質をMHCの上に乗せる。MHCに非自己のタンパク質が乗ったとき、T細胞側の受容体が、MHC と MHCの乗ったタンパク質 を抗原として認識する。
}}