「高等学校理科 生物基礎/免疫」の版間の差分

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→‎体液性免疫: 白血球について、ちと私は勘違いしてたので、参考文献をもとに若干の書き直し。
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体液性免疫は、リンパ球の一部であるB細胞が、'''免疫グロブリン'''といわれる'''抗体'''(こうたい、antibody)を作り、(体液性免疫を)行う。抗体は'''免疫グロブリン'''(immunoglobulin、Igと略記)というタンパク質で構成されている。
 
:※ T細胞もB細胞も、リンパ球の一種である。(※ 高校では習わない言い回しだが、文脈によっては「Tリンパ球」や「Bリンパ球」という場合もある。好中球や好酸球などとT細胞やB細胞との関連を語る際、「Tリンパ球」「Bリンパ球」など言う場合もある。)
 
いっぽう、病原体などの異物に対して抗体が作られた時、その異物を'''抗原'''(こうげん、antigen)と呼ぶ。
抗原と抗体が反応することを'''抗原抗体反応'''(antigen-antibody reaction)と呼ぶ。
 
病原体などの抗原は、抗体と結合することで、毒性が低下し、また凝集するので、(リンパ球以外の)白血球による食作用を受けやすくなる。
 
※ なお、この文でいう「食作用」とは要するに、リンパ球以外の白血球が、細菌などを食べてしまう事。抗体の結合した細菌などを、「白血球が食べる」的な意味。
 
:(※ 範囲外: ) T細胞やB細胞といった「リンパ球」も分類上は白血球である。なぜなら、好中球や好酸素球など同様に前駆細胞が同じである。T細胞は胸腺で成熟するが、胸腺に集まる前のT細胞の前駆細胞をたどっていくと、好中球や降参球などと同様の造血幹細胞(ぞうけつ かんさいぼう)に行き着く<ref> 大地陸男『生理学テキスト』、文光堂、2017年8月9日 第8版 第2刷 発行、235ページ </ref>。なお、赤血球も白血球も骨髄(こつずい)で作られるので、つまりT細胞やB細胞の前駆物質も、好中球や好素球などの先駆物質も、おおもとは骨髄で作られる、という事を読者には意識してもらいたい。なお、「骨髄」(こつずい)とは、骨の内部にある造血細胞のこと。(よくある間違いで、脊椎(セキツイ)と混同されるが、異なるので、混同しないように。)
:(※ 範囲外: ) 本文に「抗体と結合することで、」「白血球による食作用を受けやすくなる。」とあるが、ここでいう、抗体との結合で食作用する「白血球」とは、好中球や好酸球や好塩基球のこと。好中球や好酸球や好塩基球の3つとも全部に抗体の結合した病原体を食作用する性質がある。<ref>小澤 瀞司/福田 康一郎 監修、医学書院『標準生理学 第8版』、2015年8月1日 第8版 第2刷発行、527ページ</ref>
 
 
免疫グロブリンによる免疫は、体液中の抗体による免疫なので、体液性免疫という。
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:(※ 範囲外: )これらB細胞やT細胞が実際に病原体を攻撃している事の証拠のひとつとしては、ヒトの遺伝病におけるB細胞欠損症の患者が容易に細菌感染をすること<ref>JEFFREY K.ACTOR 著、『免疫学・微生物学』東京化学同人、大沢利昭・今井康之 訳、2010年3月15日 第1版 発行、68ページ</ref>、および、T細胞欠損症の患者が容易にウイルス感染・真菌感染・原虫感染をする事<ref>JEFFREY K.ACTOR 著、『免疫学・微生物学』東京化学同人、大沢利昭・今井康之 訳、2010年3月15日 第1版 発行、68ページ</ref><ref>宮坂昌之ほか『標準免疫学』、医学書院、2016年2月1日 第3版 第2刷、397ページ</ref>などからも分かる。
 
 
===== 参考: ABO式血液型 =====