「高等学校理科 生物基礎/免疫」の版間の差分

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→‎体液性免疫: 白血球について、ちと私は勘違いしてたので、参考文献をもとに若干の書き直し。
ナチュラルキラー細胞について、検定教科書の実教と東京書籍で記載が見つかったので、記述を更新。
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※ なお、この文でいう「食作用」とは要するに、リンパ球以外の白血球が、細菌などを食べてしまう事。抗体の結合した細菌などを、「白血球が食べる」的な意味。
 
:(※ ほぼ範囲外: ) T細胞やB細胞といった「リンパ球」も分類上は白血球である。(※ 啓林館の教科書『生物基礎』(平成26年度用、128ページ)で、T細胞やB細胞が白血球に分類される事を紹介だけしている。T細胞やB細胞が「リンパ球」である事を紹介している教科書は多いが、そのリンパ球は白血球に分類される事を説明している教科書が少い。)
:(※ 以下、範囲外: 啓林の教科書にも説明し)T細胞やB細胞がなぜ白血球であるかというと、好中球や好酸素球など同様に前駆細胞が同じだからである。T細胞は胸腺で成熟するが、胸腺に集まる前のT細胞の前駆細胞をたどっていくと、好中球や降参球などと同様の造血幹細胞(ぞうけつ かんさいぼう)に行き着く<ref> 大地陸男『生理学テキスト』、文光堂、2017年8月9日 第8版 第2刷 発行、235ページ </ref>。なお、赤血球も白血球も骨髄(こつずい)で作られるので、つまりT細胞やB細胞の前駆物質も、好中球や好素球などの先駆物質も、おおもとは骨髄で作られる、という事を読者には意識してもらいたい。なお、「骨髄」(こつずい)とは、骨の内部にある造血細胞のこと。(よくある間違いで、脊椎(セキツイ)と混同されるが、異なるので、混同しないように。)
:(※ 範囲外: ) 本文に「抗体と結合することで、」「白血球による食作用を受けやすくなる。」とあるが、ここでいう、抗体との結合で食作用する「白血球」とは、好中球や好酸球や好塩基球のこと。好中球や好酸球や好塩基球の3つとも全部に抗体の結合した病原体を食作用する性質がある。<ref>小澤 瀞司/福田 康一郎 監修、医学書院『標準生理学 第8版』、2015年8月1日 第8版 第2刷発行、527ページ</ref>
 
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{{コラム|ナチュラルキラー細胞(※ 範囲外:)|
:(※ 教科書にあまり無い話題: )
:※ 実教出版の『生物基礎』(平成24年検定版、145ページ)に、「NK細胞」と名前だけ紹介されている。
:※ 東京書籍『生物基礎』(平成23年検定済み)で、「ナチュラルキラー細胞」と紹介。
:チャート式にも、いちおう名前だけ紹介されている。
 
T細胞やB細胞とは別に、さらに「ナチュラルキラー細胞」(NK細胞)というのがリンパ球に含まれており、1970年代にナチュラルキラー細胞が発見されたが、まだよく解明されていない。
 
キラーT細胞などとの違いとしては、(ナチュラルキラー細胞でない単なる)T細胞なら別の免疫細胞によって抗原提示されてからT細胞が攻撃する。
 
(※ 実教および東京書籍の教科書にある記述)移植手術の際に、もし、家族でも何でもない他人の皮膚を移植すると脱落する拒絶反応が起きるのも、T細胞のほかNK細胞が移植片を攻撃するからである(という実教出版および東京書籍の見解)。
 
一方でナチュラルキラー細胞は、どうやら、なんの抗原提示を受けなくても、病原体感染細胞やガン細胞などを(ナチュラルキラー細胞が)攻撃するように観察されているので、「生まれつきの殺し屋」みたいな意味で、このような名前がついている。
 
:※ 実教出版の教科書でも、T細胞の指示を受けずにNK細胞がガン細胞を攻撃することを説明している。(実教出版『生物基礎』(平成24年検定版、145ページ))
 
このためか分類上では、ナチュラルキラー細胞は自然免疫の細胞であると分類されている<ref>宮坂昌之ほか『標準免疫学』、医学書院、第3版、202ページ</ref>。だが、論文などでは、ナチュラルキラー細胞が場合によっては獲得免疫に似た免疫記憶の性質を持つ場合もあるとも報告されており<ref>宮坂昌之ほか『標準免疫学』、医学書院、第3版、218ページ</ref>、まだ未解明であり、よく分かってない。