「ガロア理論/分離拡大」の版間の差分

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== 定義 ==
;分離多項式 ([[w:分離多項式|分離多項式]])
<math>f(X) \in F[X]</math> が分離多項式であるとは、<math>F</math> の代数閉包において重根を持たない多項式であることをいう。
 
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<math>K/F</math> を体の拡大とし、<math>\bar{K}</math> を代数閉包とする。<math>\alpha \in K</math> が <math>F</math> 上代数的であり、かつその <math>F</math> 上の最小多項式が <math>\bar{K}[X]</math> において分離多項式であるとき、<math>F</math> 上'''分離的'''であるという。代数的かつ最小多項式が分離的でないなら、その元は'''非分離的'''という。
 
;分離拡大 ([[w:分離拡大|分離拡大]])
体の拡大 <math>K/F</math> が'''分離拡大'''であるとは、任意の <math>\alpha \in K</math> が <math>F</math> 上分離的であることをいう。
 
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;証明
<math>f'(X) = 0</math> のとき、<math>f'(\alpha) = 0</math> なので命題 4 より <math>\alpha</math> は重根である。つまり、<math>\alpha</math> は非分離的である。逆に、<math>\alpha</math> が非分離的であるならば <math>f(X)a(X) + f'(X)b(X) = 1</math> となるような <math>a(X), b(X) \in F[X]</math> は存在しない。仮に存在したとすると、<math>K[X]</math> で <math>f(X)a(X) + f'(X)b(X) = 1</math> が成立するが、<math>f(X), f'(X)</math> はどちらも <math>X-\alpha</math> で割り切れるので矛盾する。したがって、命題 5 より <math>f(X), f'(X)</math> は互いに素ではない。一方、<math>f(X)</math> は規約多項式 ([[ガロア理論/代数拡大#命題_1]]より) であり、<math>\deg f'(X) < \deg f(X)</math> であることから、これは <math>f'(X) = 0</math> であることを指し示している。
 
 
;定義 ([[w:完全体|完全体]])
体 <math>F</math> が'''完全'''(perfect)であるとは、任意の代数拡大体が分離的であるような体のことを言う。
 
;定義 ([[w:標数|標数]])
体 <math>F</math> の標数 <math>p = ch F</math> とは、自然に定まる唯一の環準同型 <math>\phi : \mathbb{Z} \rightarrow F, \ m \mapsto 1 + 1 + \cdots + 1</math> (<math>m</math>回) について、<math>\phi(p) = 0</math> となる最小の非負整数のことを指す。<br />
(注) 体の標数は必ず 0 であるかまたは素数であるかのどちらかである。
 
 
==== 系 7 ====
標数が 0 である体は完全体である。
 
 
[[Category:数学]]