「高等学校生物/生物IB‐生態系」の版間の差分

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植物プランクトンなどにとっての栄養に富んだ湖などの事を'''富栄養湖'''(ふえいよう こ)という。生活排水や農業廃水などに含まれるリンや窒素(ちっそ)などの成分の流入によって、富栄養湖になっている場合もある。
 
また、湖などが、そのように栄養の多い湖になる事を'''富栄養化'''(ふ えいようか, entrophication)という。
 
「栄養」と聞くと、よさそうに聞こえるが、これはプランクトンにとっての栄養という意味であるので、水中の水草や魚などにとっては、プランクトンの増大が害になっている場合もある。
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なぜなら、プランクトンにより日照がさえぎられるので(植物プランクトンは光の届く水面近くにいるので)、湖の底にある水草は光合成をできなくなる。また、大量のプランクトンのせいで水中の酸素量の低下などを引きおこされ、酸欠状態になる。
 
過去には、富栄養化した湖や沿岸などで魚介類の大量死が発見される場合もあった。(※ 数研の『生物基礎』に記述あり。)
 
自然界の河川や海水にも、栄養が溶けており、それらは水中の生物の生存にも必要な場合もあるが、しかし栄養が過剰になりすぎると、プランクトンの大量発生などのより、それらの水系の生態系のバランスが崩れ、水草の現象や魚介類の大量死などの原因にもなる。過去には、過剰に富栄養化した湖や沿岸などで、魚介類の大量死が発見される場合もあった。(※ 数研の『生物基礎』に記述あり。)
赤潮(あかしお)という海水面の赤くなる現象の原因も、水質の富栄養化である。(※ 数研の『生物基礎』に記述あり。)赤潮は主に海面で発生し、日本でも、東京湾や瀬戸内海などで、過去に赤潮が発生した事があり、社会問題にもなった。
 
赤潮(あかしお、red tide)という海水面の赤くなる現象の原因も、水質の富栄養化である。(※ 数研の『生物基礎』に記述あり。)赤潮は主に海面で発生し、日本でも、東京湾や瀬戸内海などで、過去に赤潮が発生した事があり、社会問題にもなった。
なお、淡水では、富栄養化により(赤潮ではなく)水面の青緑色になる「水の華」(みずのはな)が発生する。
 
なお、淡水では、富栄養化により(赤潮ではなく)水面の青緑色になる「水の華」(みずのはな)が発生する(「アオコ」ともいう)
 
なお、プランクトンとは、水中を浮遊する微生物の総称で、そのうち光合成をするものが植物プランクトンとして分類されている。水中の、光合成しない浮遊微生物は動物プランクトンに分類される。