「高等学校生物/生物IB‐生態系」の版間の差分

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いっぽう、窒素やリンなどの濃度の低い湖のことは「貧栄養湖」(ひん えいようこ)という(※ 数研の教科書で紹介)。
 
{{コラム|「硝酸塩」などの化学的な表現について|
 
:※ 検定教科書によっては「窒素」ではなく「硝酸塩」(しょうさんえん)と書いてある場合もあるが(たとえば啓林館)、これは硝酸は窒素化合物だからである。(※ 高校の『化学基礎』や『専門化学』などで硝酸を習う。)
 
ここでいう「塩」は、けっして塩化ナトリウムのことではない。そうではなく、「陽イオンと陰イオンとの化合物」というような意味での「塩」である。
硝酸塩と書く場合は、「リン」のほうも「リン酸塩」と書いたほうがバランスが取れるだろう。(実際、啓林館の教科書はそうである。)
 
 
硝酸塩と書く場合は、「リン」のほうも「リン酸塩」と書いたほうがバランスが取れるだろう。(実際、啓林館の教科書はそうである。)
 
つまり、上記の富栄養湖の記述を「硝酸塩」および「リン酸塩」を使って言い換えると、下記のような言い回しになる。
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のような記述になろだろう。
 
さらに、これら硝酸塩やリン酸塩をまとめて、「栄養塩」または「栄養塩類」という事もある。「栄養塩」という語句を使って上記文を言い換えれば、
硝酸塩やリン酸塩などの栄養塩の濃度の高い湖の事を'''富栄養湖'''(ふえいよう こ)という。
 
のような記述にでも、なるだろう。
 
}}
 
 
さて、「栄養」と聞くと、よさそうに聞こえるが、これはプランクトンにとっての栄養という意味であるので、水中の水草や魚などにとっては、プランクトンの増大が害になっている場合もある。
 
なぜなら、プランクトンにより日照がさえぎられるので(植物プランクトンは光の届く水面近くにいるので)、湖の底にある水草は光合成をできなくなる。また

:※ 一説には、大量のプランクトンのせいで水中の酸素量の低下などを引きおこされ、酸欠状態になるとも言われている(数研の見解)
:なお、プランクトンが死亡した際、分解が起こるために酸素が大量に消費されるとも言われている(数研、啓林の見解)。
 
:※ 「植物プランクトンが光合成するから、酸欠にならないのでは?」という疑問も持たれる読者もいるかもしれないが、現象的な事実として、魚介類の死が起こされるので、水中が酸欠になっていると考えるのが妥当だろう。検定教科書では、増えすぎたプランクトンが(何らかの理由で)大量に死に、その死の前後に酸素が消費されると記述されている(啓林、数研の『生物基礎』の教科書に記載あり)。
 
:※ その他、プランクトン自体がエラに詰まる害も、啓林が紹介している。
 
 
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しかし栄養が過剰になりすぎると、プランクトンの大量発生などにより水系の生態系のバランスが崩れ、水草の現象や魚介類の大量死などの原因にもなる。過去には、過剰に富栄養化した湖や沿岸などで、魚介類の大量死が発見される場合もあった。(※ 数研の『生物基礎』に記述あり。)
 
 
 
赤潮(あかしお、red tide)という海水面の赤くなる現象の原因も、水質の富栄養化である。(※ 数研の『生物基礎』に記述あり。)