「高等学校生物/生物I/環境と動物の反応」の版間の差分

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イオンチャネルの説明が間違っている。もしくは飛躍しすぎ。
ナトリウムポンプ一般の説明を除去。代わりに、その単元へのリンク追加。
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* イオンチャネルの働き
:※ 一般的なイオンチャネルについては、すでに『[[高等学校生物/生物I/細胞の構造とはたらき#受動輸送]]』で説明してある。
神経細胞の細胞膜には、濃度の高低に従ってナトリウムイオンを輸送(受動輸送)するナトリウムチャネルと、濃度に依存しない働き(能動輸送)をするナトリウムポンプと、濃度の高低に従ってカリウムイオンを輸送(受動輸送)をするカリウムチャネルと、濃度に依存しない働き(能動輸送)カリウムチャネルがある。神経細胞は体液に取り囲まれており、さまざまなイオンが溶けている。
:本『環境と動物の反応』のページでは、主に神経細胞のイオンチャネルについて説明する。(※ 高3の専門生物の範囲内です。)
 
 
神経細胞の活動電位にも、神経細胞の膜表面にあるイオンチャネルとナトリウムポンプが関係している。
 
(ナトリウムチャネルとは、このナトリウムチャネルが開くと、細胞内にナトリウム(Na<sup>+</sup>)が流入する。)
 
:神経細胞でも、静止状態ではナトリウムポンプの働きによって、細胞の内側でナトリウム濃度が高くカリウム濃度が低く、外側ではナトリウム濃度が低くカリウム濃度が高い(他の一般の細胞でのナトリウムポンプの動作と同様の結果の濃度勾配)
 
:一部のカリウムチャネルが刺激の有無に依存せず漏れ出すので(※ 東京書籍・数研出版の検定教科書に記述あり)、つまりプラスの電荷をもったK<sup>+</sup>が細胞外へ漏れ出すのだから、その結果、静止状態の細胞内は負(-)に帯電している。なお、この現象を「分極」(ぶんきょく)と呼んでいる(※ 東京書籍に記述あり)
:※ とりあえず、神経細胞内が初期状態では負に帯電している事が分かればいいだろう。
 
:神経細胞のナトリウムチャネルは普段は閉じているが、電位が上昇すると、ナトリウムチャネルが開き、細胞内にナトリウムチャネルが流入する。その結果、細胞内の電位が上がり、今までの負(-)の電位から一瞬、正(+)になる。なお、この現象を「脱分極」という(※ 東京書籍に記述あり)。(図「静止電位と活動電位」の、○2の状態)
:神経細胞の一部分が刺激を受けると、その部分のナトリウムチャネルが開く。
:神経細胞のナトリウムチャネルは普段は閉じているが、電位が上昇すると、ナトリウムチャネルが開き、細胞内にナトリウムチャネルが流入する。その結果、細胞内の電位が上がり、今までの負(-)の電位から一瞬、正(+)になる。(図「静止電位と活動電位」の、○2の状態)
 
:上記のように細胞内の電位が正になり膜内外の電位は逆転た結果、ナトリウムチャネルは閉じる。
 
:そして細胞内に入ったナトリウムは、ナトリウムポンプによって外に出されていく。この際、ナトリムポンプの働きによってカリウム(K<sup>+</sup>)が細胞内に取り込まれていく。
:そして細胞内に入ったナトリウムは、(ナトリウム「チャネル」ではなく)ナトリウムポンプによって外に出されていく。この際、ナトリムポンプの働きによってカリウム(K<sup>+</sup>)が細胞内に取り込まれていく。
:そして、イオンの分布が、もとにもどる。
 
 
* 全か無かの法則
[[File:All-or-none law jp.svg|thumb|300px|全か無かの法則]]
1本のニューロンは、刺激の強さが一定値より弱いと興奮しない。この、さかいめの一定値を'''閾値'''(いきち)という。閾値以上だとニューロンは興奮し、その興奮の大きさは刺激の強さによらず一定であり、活動電位の大きさは一定である。
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ニューロンの、このような反応の現れ方を'''全か無かの法則'''(ぜんかむかのほうそく、all-or-none law)と呼ぶ。
 
* 興奮の伝導
[[File:興奮の伝導 無髄神経.svg|thumb|400px|left|興奮の伝導 (無髄神経)]]
このようにして軸索のある箇所に活動電位が起こると、興奮部と隣接する静止部の間に電流が生じ、その電流を'''活動電流'''(かつどうでんりゅう、action current)という。活動電流によって隣(となり)の静止部に興奮が起き、さらに、その興奮によって、そのまた隣の静止部に興奮が起き・・・、というように活動電流によって次々と興奮が伝わっていく。