「高等学校理科 生物基礎/ホルモンによる体内環境の調節」の版間の差分

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(※ 範囲外 :) 糖尿病患者でない正常者でも、食後には尿中に糖が排出されるが、これは健康な反応である<ref>無痛症の参考文献 :『やさしい生理学 第7版』、南江堂、2019年 5月20日 第7版 第2刷、105ページ </ref>。
図を追加。血糖値のグラフ。なお教育用語で「血糖濃度」と言うのでページ内検索の際は参考に。
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血液中に含まれるグルコースを'''血糖'''(けっとう、blood glucose)という。
 
健康なヒトの場合の血糖の含有量は一定の範囲に保たれ、空腹時で血液100mLあたり、ほぼ100mgという濃度である。(※ 検定教科書に普通に書いてある・)
 
:(※ 範囲外: )このような単位量あたりの血糖の値を'''血糖値'''(けっとうち)という。
 
:※ 「血糖値」は高校理科教育の用語では「血糖濃度」と言います。東京書籍では「血糖値」のまま書いています。
 
このような単位量あたりの血糖の値を'''血糖値'''(けっとうち)という。
血糖量、血糖濃度ともいう。
 
グルコースは細胞の活動に必要な糖である。
 
血糖値が低すぎたり高すぎたりすると様々な症状を引き起こすため、
ホルモンと自律神経によって一定に保たれている。
 
糖は脳のエネルギー源なので、もし血糖濃度が下がりすぎてしまい、おおむね70mg/100mL以下になると(低血糖)、計算力の低下などの症状が表れ始め、60mg/mL以下になると意識障害や けいれん などの危険がある。(※ 第一学習社、東京書籍の教科書が本文で記述。なお東京書籍は60mg/100mLの数字を採用。第一学習社が70mg/mLを採用。)
 
:※ 東京書籍の検定教科書のグラフで、健常人の血糖値が80以上になってるのは、低血糖でないという意味だろう。
 
 
食事などで炭水化物や糖質を取ると、一時的に血糖値が上昇する。逆に、急激な運動の後などでは下がっている。
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* 糖尿病 (※ 高校の範囲'''内''')
[[File:Blood sugar level graph japanese.svg|thumb|400px|ヒトの血糖濃度]]
いっぽう、病気により血糖値が常に200mgを越えると、'''糖尿病'''(とうにょうびょう、diabetes mellitus)という病気だと判断される。<ref>文部科学省『高等学校用 疾病と看護』教育出版、平成25年発行、P.51</ref>
 
(※ 200mgの数値は高校の範囲外だが、糖尿病については高校理科の範囲内、東京書籍や<ref>浅島誠『生物基礎』東京書籍、平成26年2月発行、P.108</ref>、第一学習社など。)
いっぽう、病気により血液100mL中の血糖値が常に200mg(「200mg/100mL」のように書く)を越えると、'''糖尿病'''(とうにょうびょう、diabetes mellitus)という病気だと判断される。<ref>文部科学省『高等学校用 疾病と看護』教育出版、平成25年発行、P.51</ref>
(※ 200mgの数値は高校の範囲外だが、実は東京書籍の検定教科書で200mgの数字が本文中にある。糖尿病については高校理科の範囲内、東京書籍や<ref>浅島誠『生物基礎』東京書籍、平成26年2月発行、P.108</ref>、第一学習社など。) 健康な人では、血糖値はおおむね100~150mgの範囲内であり、空腹時は100前後だが食事などによって150mg/mL近くに上昇する(※ 第一学習社および実教出版の『生物基礎』の検定教科書に図表で記載あり)。
:※ 実教出版の教科書の図表を見ると、糖尿病患者の血糖値が最低値が200mgになってるのは、上述のような理由がある。
 
 
糖尿病とは、すい臓からインスリンが、うまくは分泌されなくなってしまった病気である。インスリンが細胞と結合すると、グルコースを消費させる。しかし、インスリン分泌がうまくいかないと、この消費がなくなってしまい、その結果、グルコースが余る。
 
 
:※ 「血糖値」は高校理科教育の用語では「血糖濃度」と言います。東京書籍では「血糖値」のまま書いています。なので、右グラフの「血糖濃度」を「血糖値」と書いても、正解です。医学書(『標準生理学』や『生理学テキスト』など)では「血糖値」の表記を使っているので、なるべく「血糖値」という表現に、なれてください。
:※ 血糖値は、「200mg/100mL」と書かずに「200mg」とだけ略記的に書く方法も、慣用的に認められている(※ 東京書籍の検定教科書が本文中で「200mg」というふうに末尾「/100mL」を省略した記法をしている)。
 
 
:(※ 編集者への作業指示: ここらに血中のインスリン濃度のグラフを追加。)
 
その結果、原尿にグルコースが高濃度で含まれるので細尿管でのグルコース吸収が間に合わず、尿中に高濃度のグルコースが含まれて排出される。
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高血糖が長く続くと、欠陥が変性して血流が低下してしまい、その結果、眼や腎臓などの、さまざまな器官で障害を起こす。糖尿病には、このような各器官での合併症があるため、危険な病気である。
 
糖尿病は、尿に糖が含まれる事自体は、あまり危険視されておらず、目が腎臓などに障害の出ることが危険視されている(※ 数研出版の見解)。
 
 
糖尿病の分類は、大きくは二つの種類に分けられる。
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血糖濃度をあげるホルモンの種類は多く仕組みも複雑である。しかし、血糖値を下げるホルモンはインスリンのみしか今のところ知られておらず、また仕組みも単純である。この事から、動物は、飢餓に適応して、血糖値の調節の機構を進化させてきたと考えられている。飽食の時代よりも、飢餓の時代のほうが、圧倒的に多かったのだろうと考えられている。