「高等学校保健体育保健/精神の健康」の版間の差分

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:※ ヨーロッパの性欲への厳しさといっても昔の高校生には分からないだろうから例を挙げておくと、たとえばイギリスでは20世紀なかばごろまで、「ゲイ(男性の同性愛)は逮捕」であった。実際、イギリスの数学者のチューリング(この人はコンピュータの研究者でもある。男)などもイギリスで同性愛の容疑により逮捕されている。
::※ なお、話題は脱線するが、近年、同性愛者の権利運動などで「LGBT」(エルジービーティー、)が世界的に話題になっている事には、こういう欧米や諸外国での過去の同性愛者差別の歴史という事情もある。LGBTとは、レズビアン(女性どうしの同性愛者)、ゲイ(男性どうしの同性愛者)、バイセクシャル(男女両方を相手にする性愛者)、トランスジェンダー(いわゆるオカマ・オナベ)の略。なお、中東イスラム圏では現代でも、同性愛者に対しては厳しい。
 
 
:なおフロイトの国籍については、フロイトはオーストリア(ドイツの隣りあたりの位置の国)の医者。フロイトの生きてた時代の19世紀後半~20世紀前半は、ヨーロッパが帝国主義の戦争に明け暮れてたような時代であるので、現代とは倫理観が違うので、そのため性欲表現などは厳しく扱われていたのである。
 
さてフロイトへの評価については、21世紀の現代でこそフロイトの学説には「証拠が乏しい」と疑問視されているが、しかし残念ながら20世紀末ごろまでは、「欧米先進国の教科書に書いてあるから正しい。古典に書いてあるから正しい。」という感じのズサンな教育が大学などでも普及しており、フロイトの学説が真実として鵜吞みにされていた(なので、読者がもし古い本を読む場合には気をつけろ)。
 
 
さてフロイトによる研究とは別に、欧米では19世紀以降の近現代で、たびたび事故などで頭を強く打ったりした患者や、建設事故などで工事用の鉄杭(てつくい)などが脳を貫通した患者などが、性格が事故前と事故後とで変わっているという事例もたびたび報告されたので、「脳の分泌異常など生理的要因によって、個人の性格は変わるものであろう」という認識が当時の学術界では、されてゆくようになった。