「高等学校保健体育保健/精神の健康」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
編集の要約なし
551 行
 
もしかしたら読者には疑問として、「そもそも医学であつかうべき病気なのか? 労働者の待遇や個人の労働観の問題では? 退職すればいいじゃん? あるいはパワハラ問題とか? 治療すべきは患者ではなく、転職しづらい日本社会では? ・・・(以下略)」などの疑問はわくかもしれない。だが現実として(日本だけでなく欧米などでも)世界的に、適応障害の患者には、患者が治療をもとめれば抗うつ薬(こううつやく)などが処方されたりする。
 
 
 
実際のところ、医学的にも「適応障害」についての分泌的な特異性のある原因は解明できていない。そのため「適応障害」という、原因のよく分からない現象論的な分類をされてしまっている。
558 ⟶ 560行目:
 
なお、うつ病自体が、欧米では20歳前後の年齢(※ wiki注: 欧米でも高卒・大卒の新卒の就職の時期に近い)で発症する事例が多いという統計が知られている<ref>『標準精神医学』、医学書院、第7版、346ページ</ref>。日本では、20歳前後だけでなく、さらに中高年にも比較的に、うつ病が多いという統計がある<ref>『標準精神医学』、医学書院、第7版、346ページ</ref>。
 
 
また、精神疾患の 診断基準だけ は、国際的に共通化が進められており、すでに診断基準だけは国際共通化しているが(実態はアメリカが基準だが)、しかし、労働環境や教育制度などの社会制度は共通化していない、という国際的な差異にも、私たちは留意する必要があるだろう。
 
特に、転職を尊重するアメリカの雇用慣習と、(現在では不況で終身雇用は民間では実現不可能だが、)終身雇用を理想像とする日本の雇用慣習が、日米の「適応障害」の労働者の背景としては大きく違っていることに留意しなければならないだろう。