「高等学校理科 生物基礎/遺伝情報とタンパク質の合成」の版間の差分

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※ 範囲外 出産の「死産」や「流産」など。ついでに2017年ロンドン世界陸上の性同一性障害の問題とクラインフェルター・ターナー症候群との話題を高校1年むけにアレンジして記載。
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== 備考 ==
RNAは上述のようにタンパク質の合成に必要なので、(ウイルスなどの生物かどうか不明な物体を例外として除けば)全ての生物がRNAを持っている、と考えられている。(※ 2016年センター試験『生物基礎』追試験の赤本(教学社)の見解)
 
== ※ 範囲外 ==
※ 専門『生物』の範囲だが、下記の単元は内容上、口頭で生物基礎でも教師が教える可能性が高いので(90年代には生物Iあたりで口頭で教えられていた事もあるらしいので)、紹介する。
 
=== 出産の「死産」や「流産」など ===
出産において、「乳児」(にゅうじ)というか「新生児」(しんせいじ)というか、いわゆる「赤ちゃん」が母体の中から産道(さんどう)を経て、出産されるわけである。
 
さて、不幸にして、母が赤ちゃんを出産したときに、すでに赤ちゃんが死亡している場合がある。
 
このような場合を「死産」(しざん)という。
 
 
また、出産前の妊娠中に、赤ちゃんが死亡してしまう場合もあり、このような場合を「流産」(りゅうざん)という。
 
 
さて、なぜこの遺伝子やDNAの単元で死産や流産の話をするかというと、死産や流産の原因はたいてい、赤ちゃんの遺伝子(DNA)の異常による先天異常だと考えられているからである。
 
統計的に、もしも赤ちゃんが死亡せずに生きて生まれた場合における新生児の先天異常率は、統計では約2%と言われる<ref>小林正伸『なるほど なっとく! 病理学』、南山堂、2019年2月19日 2版1刷、39ページ</ref>が、しかしこの「2%」はあくまで生きて生まれた赤ちゃんだけを対象にしているので、流産も含めると、実際にはその何倍もの重大な遺伝子異常をもって出産される赤ちゃんがいたのだろう、と一般的に考えられている。
 
 
そしてどうやら、動物のメス(雌)の体には、もし赤ちゃんに重大すぎる遺伝子疾患のある場合に、妊娠を継続させずに流産させるという自然のメカニズムが、メスの生体にそなわっているらしい<ref>小林正伸『なるほど なっとく! 病理学』、南山堂、2019年2月19日 2版1刷、40ページ</ref>、と一般的に考えらている(よく昔の高校や大学の生物関係の授業でも、そういう学説が口頭で紹介されていたらしい)。
 
=== 先天障害 ===
先天障害のうち、ダウン症という症状は、遺伝子の異常によるものである。(※ 検定教科書の範囲外だが、参考書で数研チャート式などに書いてある。昔からよく、口頭で高校でも教えられている話題。)
 
wikibooks では『[[高等学校生物/生物II/遺伝情報の発現]]』で、説明してあるはず(版にもよる)。
 
※ 2020年代の現代では、高校生物における生理学(せいりがく)の話題が高校3年の選択科目の専門「生物」に移ったが、90年代ごろまでは高校1年で生理学の話題をあつかっていたので、こういう話題が高校1年の事実上の必須科目である生物Iで教えられていたわけだ。
 
 
:※ 先天障害は他にもあるが、wikibooksでは専門生物のページに詳細をゆずるとする。本ページでは概要にとどめる。
 
 
;性染色体の異常など
「男」や「女」といった生物学的な性別も、遺伝子によって決まる。
 
ヒトの場合、染色体のひとつに性染色体というのがあり、その性染色体が健常男性ならXYである。健常女子なら性染色体はXXである。
 
しかし、まれに先天的な遺伝子異常で、XXYやXYYなどの人間が生まれてくる場合がある。
 
:※ 健常者の性染色体の話題は、昔は高校1年の「生物I」の範囲だったが、2020年代では高校3年の専門「生物」に移動している。
 
:※ 性染色体(X染色体やY染色体)の異常による、クラインフェルター症候群やターナー症候群など、昔の高校や大学では、よく範囲外の話題として紹介されたものだったが、しかし2020年代の現代の高校では、健常な場合の性染色体の単元自体が高校3年の専門「生物」に移動した。
:関連する、トリソミー(遺伝子重複の異常の3倍体、染色体XXYまたはXYYなどの場合。)やモノソミー(XOやYOなど。死産・流産が普通)の話題も、高校3年の範囲外にゆずるとする。
 
:※ 90年代のテレビの科学番組で、『たけしの万物創世記』(番組名)だったか『特命リサーチ200X』(番組名)だったかでも、クラインフェルター症候群やターナー症候群などが紹介されており、意外とお茶の間でも、性染色体異常の概念は有名である。(ほとんどの日本人は病名(「クラインフェルターなど」)は覚えてなくても、欧米でも人権問題などで議論として、性染色体の異常でにより生物学的な性別が不明瞭なヒトがいることが議論になっているとテレビ番組(当時は科学番組など)で報道された事をうっすらと覚えている大人はいるだろう。90年代後半の当時、テレビ業界で科学番組が流行していた。)
 
 
2000年代の現代では「性同一性障害」といわれる障害では、先天異常だけでなく後天的な心理的な障害もあつかっているが、
 
もともとの用語の用例では、おもに「クラインフェルター症候群」のような、こういう性染色体などの遺伝子のなんらかの先天異常による性別に関する障害のことを「性同一性障害」と言っていた。(そして90年代の科学番組などでも「クラインフェルター症候群」や「ターナー症候群」などが「性同一性障害」として、まとめられ紹介されていたものである。一般人には「クラインフェルター」なんてカタカナ語、覚えづらいですもん。)
 
 
現代に応用するなら、いわゆる同性愛のレズだのゲイや、トランスジェンダーだのといったLGBTは、必ずしも後天的な趣向とはかぎらず(後天的な人もいるだろうが)、クラインフェルターやターナー的な生物学的な障害の場合もあるという事を、考える必要がある。
 
 
:近年では、2017年ロンドン世界陸上の女子部門の金メダリストで、日本だけでなく海外でも、社会的な性別は「女」だが、生物学的な性別が検査の結果「男」とされた選手が、議論になった事例がある。
 
ヒトの場合、一般的に男のほうが筋力やスポーツ能力は高いので、女子スポーツに、生物学的性別が「男」とされる社会的「女」の『女性選手』が出場することが、特にスポーツ上でのほかの女性選手との不公平として問題視され、性同一性障害の女性の権利との兼ね合いから、各所で議論されることが、2000~2020年に、たびたび起きた。
 
2017年ロンドン世界陸上の金メダリスト「女性」選手が、そのようなトランスジェンダーの疑惑のある社会的「女性選手」だったが(生物学的性別の検査結果は権利保護のため非公表)、メダルを取ったので議論になった。メダルの取り消しはされなかったが(メダル保持者のまま)、国際陸上競技連盟(IAAF)は、今後はトランスジェンダーの「」選手は男性ホルモンを下げる薬を服用するようにとの要請するようになり、国際仲裁裁判所もIAAFの主張を認めた。
 
 
社会的「女」の生物学的「男」の選手のメダルが、大会の運営により、取り消しされた事例もある。
 
== 参考文献など ==