「ゲームプログラミング/バランス調整」の版間の差分

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なお、装備品の強さは、式だけでは決めないほうが良い場合があります。理由を短く言うと、ドラマ性のためです。
ゲームが長編になる場合、まずはプロトタイプ的に、序盤をやや多めに通しプレイをして、とりあえず序盤のバランスがゲームとして面白くなるように調整します。とはいえ、ゲーム制作当初は、そもそも終盤のストーリーがまだ未完成だったりするので、意図せずとも、こういったプロトタイプ的に序盤をやや多めに調整する方法が自然に行われる事になります。
 
何故かと言うと、通常、味方陣営のパーティキャラの非装備時の基礎能力値の成長曲線は、式で決める作品が多くあります。なぜならレベル1からレベル99までの99個もの基礎能力値(しかもパラメータの種類ぶん。オマケに人数分)を決定しますので、それらをいちいち調整で増減していては大変だからです。
 
そして、成長曲線を式で決めると、それをグラフにすると、なだらかな右上がりの1次間数に近い曲線になります(多少、曲がっていますが、1次関数に近い右上がりである)。1次関数に近いので、プレイヤー視点でも、おおむねグラフ形状を予想をできます。
 
さて、能力値はすでに式で決められているのに、さらに装備品までも式で決めてしまうと、そのゲームのプレイヤー陣営の強さを決定づける要素がすべて式で決められてしまい、その結果、プレイヤー側の強さがプレイヤー視点でも予想可能なものになってしまいます。
 
しかし、プレイヤーにとって「強さ」曲線的なものが予想可能すぎる形状であると、ドラマ性が無いので、つまらなくなります。
 
 
また、そもそも装備品が、たとえば槍一種類でも(レベルの個数みたいに)99個もあるような作品では、そのゲームはつまらなくなります。常識的に考えて、槍の種類数は多くても30個くらいまで、でしょう。あまり多すぎると、装備品一個ずつの個性が薄れます。
 
式だけでパラメータを作られた個性の無い99個の装備品のうちのひとつに、いちいち「切り裂きの槍」みたいに名前がついていると、プレイヤーとしては気分がムカつきます。
 
なお、装備品の自動命名システムというのも理論的には可能で実装することも可能で、たとえば「切り裂きの ミスリルの 名工ガロアの槍」とか「まっぷたつの 鉄の 名工ベルヌーイの 槍」みたいに「〇〇の△△の槍」みたいに名前を修飾語の組み合わせを変えることでモンタージュ的に合成することで、一応は装備品の自動命名システムを作れて装備品を何十個もゲーム中に登場させられますが、はっきり言ってツマラなくなります。プレイヤーは馬鹿じゃないので、騙されません。馬鹿しか騙されません。馬鹿を騙すのも商売かもしれませんが、馬鹿を相手にしてもツマラナイので、本wikiでは、これ以上はこの手法を説明しません。
 
自動命名するくらいなら、個性の無い装備なら、いっそ「槍 Lv 60」みたいに、最初からそういうパラメータ表示をしてくれたほうが、プレイヤーにとってはマシです。せめて「切り裂きの槍 ++」とか「切り裂きの槍 ランクA」みたいにしてほしいです。
 
 
さて、ゲームが長編になる場合、まずはプロトタイプ的に、序盤をやや多めに通しプレイをして、とりあえず序盤のバランスがゲームとして面白くなるように調整します。とはいえ、ゲーム制作当初は、そもそも終盤のストーリーがまだ未完成だったりするので、意図せずとも、こういったプロトタイプ的に序盤をやや多めに調整する方法が自然に行われる事になります。