「生理学」の版間の差分

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伝統的な、大学レベルの薬理学の教育では、アゴニストとアンタゴニストという語句が、これらの概念を説明するのに、よく使われる。
なお、アンタゴニストのことを「ブロッカー」 blocker ともいう。また、英語の「インヒビター」inhibitor も似た意味であり(「阻害剤」のような意味)、inhibitor という語も アンタゴニストの一種として使われている。
 
よく、リガンドと受容体の関係は、カギとカギ穴の関係に喩えられる。
 
※ 本wiki独自の喩えだが、アンタゴニストをカギに喩えるなら、カギ穴に入ることはできるが、カギの凹凸が不一致で、カギを回せない、とでもいえようか・・・
 
:※ これらの話題の薬理学での詳細については、『薬理学/アゴニストとアンタゴニスト』を参照せよ。
{{コラム||
:(※ 薬理学の範囲 :)
[[File:Inverse agonist diagram japaense.svg|thumb|350px|医学書によくある、逆アゴニストの概念図のグラフ]]
 
受容体の中には、なにも結合していない状態でも、ある程度の活性化(その受容体は「基礎活性」をもつ、のように言う)をしている受容体がある。この受容体に、結合した際に、薬物の種類によって、活性化する薬物と、別の種類の薬物では不活性化する薬物とがある。
 
このように、基礎活性のもつ受容体を不活性化させる薬物のことを、'''逆アゴニスト'''(inverse agonist)という。(羊土社『はじめの一歩の薬理学』および医学書院『標準薬理学』)
 
 
※ 『NEW薬理学』では、やや定義が違う。
:アンタゴニストとは別の薬として、受容体に活性型と不活性型のある場合に、その薬物が受容体に結合することによって受容体を不活性型で活性化させる分子のことを'''逆アゴニスト'''という。(※ 『NEW薬理学』で紹介されている。)
NEW薬理学では、上記のような定義である。
 
 
※ ただし、『シンプル薬理学』、『生理学テキスト』では「逆アゴニスト」を紹介しておらず、あまり重視していない、もしくは不満や疑義のあるようである。
:『シンプル薬理学』は、「部分アゴニスト」や「完全アゴニスト」などの用語も紹介しているのに、「逆アゴニスト」を紹介していないので、意図的に省いていると思われる。
 
どういう意図かというと、おそらくだが、逆アゴニストをアンタゴニストの一種として、ひとまとめに(つまり非アゴニスト的に)分類すべきだという意図だろう。つまり、アンタゴニストに逆アゴニストも含めるべきだという意図か。
:『NEW薬理学』は、逆アゴニストとアンタゴニストを区別すべきだという立場であるが、ここらへんのいきさつが『NEW薬理学』に書いてある。従来、「アンタゴニスト」として分類されていた薬物分子のいくつかが、よくよく調べていったら「逆アゴニスト」だという事が分かってきた、という背景・経緯がある。
 
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{{コラム|部分アゴニスト|
どんなに用量を上げて飽和させても、飽和時の最大薬理作用が通常アゴニストの最大薬理作用と比べて割合の低いものを'''部分アゴニスト'''(partial agonist)と呼んでいる。
 
なお、対比的な呼び方として通常のアゴニストのことを全アゴニスト<ref>『シンプル薬理学』</ref>(full agonist)または完全アゴニスト<ref>『標準薬理学』</ref><ref>『NEW薬理学』</ref>と呼ぶ場合もある。
 
一例として、アセチルコリン(完全アゴニスト側)とブチルコリン(部分アゴニスト側)が、このような関係である<ref>『シンプル薬理学』</ref>。
 
なお一般に、完全アゴニストの投与時に、部分アゴニストが存在していると、結果的に部分アゴニストも受容体に結合することによって完全アゴニストと競合するので、あたかも部分アゴニストがアンタゴニストのように振舞うことになる<ref>『標準薬理学』</ref><ref>『NEW薬理学』</ref>。
}}
 
 
{{コラム|競合アンタゴニストおよび非競合アンタゴニスト|
[[File:Antagonist competition japanese.svg|thumb|350px|競合アンタゴニストおよび非競合アンタゴニスト]]
アゴニストとアンタゴニストが混合している場合に、
そのアンタゴニストが存在する事によって、アンタゴニスのない場合の作用と同じ強さの作用を得るためにアゴニストの必要量が増える場合(結果的にグラフでは曲線が右側に移動する)のアンタゴニストを'''競合アンタゴニスト'''(competitive antagonist)という<ref>『標準薬理学』、第7版、P10</ref><ref>『NEW薬理学』,改訂第6版、P10</ref>。
:※ 出典で標準薬理とNEW薬理がともに10ページ目だが、誤記ではなく、偶然の一致。
 
一方、そのアンタゴニストの存在により、最大作用が低下するアンタゴニストを'''非競合アンタゴニスト'''(non-competitive antagonist)という<ref>『標準薬理学』</ref><ref>『NEW薬理学』</ref>。
 
 
:※ 「非競合」アンタゴニストの名前と内容が直感的に分かりづらいかもしれないが、これはおそらくだが由来は、受容体の本来の結合部位以外にアンタゴニストが結合するなどして、このような現象が起きているという説がある<ref>『標準薬理学』</ref><ref>『NEW薬理学』</ref>ので(なお、このような現象を「アロステリック」<ref>『NEW薬理学』</ref>という)、このような名前がついているのだろう。
 
なお、このようなアロステリックなメカニズム以外にも、受容体の本来の結合部位と同じ部位に結合するアンタゴニストでも、いちどアンタゴニストが受容体に結合したら非可逆的に外れない特性をもつアンタゴニストでも、この非競合アンタゴニストのようなグラフの変化が起きる<ref>『NEW薬理学』</ref><ref>『シンプル薬理学』</ref>とされている。
 
このような不可逆的な非競合アンタゴニストの例としては、ノルアドレナリンと、それに対するフェノキシベンザミンがある<ref>『シンプル薬理学』、P7</ref><ref>『パートナー薬理学』、改訂第3版、P29</ref>。
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{{コラム||
アロステリックな結合は、他の薬物との結合が変わる事例以外にも、受容体の作動効率が変わる事例もある
 
たとえば通常のGABA受容体とは異なる結合部位のGABA<sub>A</sub>受容体に対してベンゾジアセピン系薬がアロステリック的に結合することにより、作動効率が変わる<ref>『標準薬理学』、P13</ref><ref>『パートナー薬理学』、P29</ref>。
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== イオンチャネルなど ==
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