「線型代数学/線型空間」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
Angol Mois (トーク | 投稿記録) |
編集の要約なし タグ: 2017年版ソースエディター |
||
8 行
以下、特に断りなければ<math>K</math>を体(field)とする。一般の体をよく知らない場合には、<math>K</math>を<math>\mathbb{R},\mathbb{C}</math>などに読み替えても概ね差し支えない。
一般の体<math>K</math>上の'''線型空間'''(linear space)とは、次の公理を満たすような集合(set)のことである。
'''公理'''
47 行
'''定義''' <math>K</math>上のベクトル空間<math>V</math>の部分集合<math>S = \{ v_1,v_2, \cdots , v_n \}</math>に対し、
:<math>
=== 基底と次元 ===
58 行
一般の線型空間においてもこのようなベクトルの組があれば便利である。そのようなものがあるとき、このベクトルの組に特別な名前をつけよう。
'''定義''' <math>x_1,x_2,\dots,x_n</math>を<math>V</math>の元の組とする。<math>V</math>の任意の元<math>x</math>に対し、<math>x = a_1 x_1
注意すべきなのは、基底は一つの線型空間に対し一組とは限らないということである。たとえば、先ほどの<math>e_1,e_2,e_3</math>も<math>\mathbb{R}^3</math>の基底であるが、一方
67 行
'''命題''' <math>x_1,x_2,\dots,x_n</math>と<math>y_1,y_2,\dots,y_{n'}</math>を<math>V</math>の基底とすると、<math>n=n'</math>
<!--- '''証明''' <math></math> --->
つまり、(もし基底が存在すれば)基底の元の数は一定である。言い換えると、基底の元の数は各線形空間に固有の数値である。そこで、この数に名前をつけることにする。
'''定義''' <math>x_1,x_2,\dots,x_n</math>という<math>V</math>の基底が存在するとき、<math>n</math>を<math>V</math>の'''次元'''(dimension)といい<math>\dim V</math>であらわす。このとき<math>V</math>は<math>n</math>次元<math>K</math>線型空間であるという。
実は、無限次元線型空間には無限個の元からなる === 部分空間 ===
線型空間の部分集合がまた線型空間になっていることがある。その
'''定義''' <math>W \subset V</math>が次の性質を満たすとき、<math>W</math>は<math>V</math>の'''線型部分空間'''(linear subspace)であるという。
83 ⟶ 88行目:
公理3は一見すると公理2から導かれるように見えるが、そうではない。なぜならば、空集合は公理1,2を満たすが、公理3を満たさない。公理3は空集合は部分空間と呼ばないようにするための公理である。
'''命題''' <math>V</math>を線型空間、<math>W</math>を<math>V</math>の線型部分空間であるとき、<math>dim V \ge dim W</math>
== 線型写像 ==
|