「薬理学/生理活性物質と消化器作用薬」の版間の差分

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シメチジン
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== 抗ヒスタミン薬 ==
=== H1受容体拮抗薬・遮断薬 ===
抗ヒスタミン薬)ヒスタミンH<sub>1</sub>受容体拮抗薬)は第一世代と第二世代に分けられる。第一世代のほうが「古典的」<ref>『標準薬理学』、P594 </ref>。
 
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}}
 
=== H2受容体拮抗薬・遮断薬 ===
:※ いわゆる「H2ブロッカーのこと」。<ref>『薬効力』、オーム社</ref> 
 
1972年、グラクソ・スミソクライン社(当時はスミスクライン・フレンチラボラトリーズ社)の<ref>『薬効力』、オーム社</ref>Blackにより、当時のH1拮抗薬では拮抗されない、胃酸分泌などの作用を抑える新薬として'''ブリマミド'''を開発し、H2受容体の存在を証明した<ref>『NEW薬理学』、P140</ref>。
 
これを改良した'''シメチジン'''が1976年に認可され、市場に普及した<ref>『NEW薬理学』、P140</ref>。
 
その後、ラニチジン、ファモチジン、ロキサチジン、ラフチジン、など、さまざまなH2受容体拮抗薬が登場して普及している。
 
そして、シメチジンを初めとするH2受容体拮抗薬は、胃腸潰瘍の画期的な治療薬となった<ref>『パートナー薬理学』、P325</ref><ref>『はじめの一歩の薬理学』、P160</ref>。
 
これらのH2受容体拮抗薬の薬理作用は、胃酸分泌を抑えるので、胃・十二指腸潰瘍など消化器系の潰瘍の治療薬として、よく使われる<ref>『NEW薬理学』、P140</ref><ref>『はじめの一歩の薬理学』、P160</ref>。そのほか、ゾリンジャー・エリソン Zollinger-Ellison 症候群、逆流性食道炎の治療薬として使われる<ref>『NEW薬理学』、P140</ref><ref>『シンプル薬理学』、P53</ref>。
 
 
なお、シメチジンは現在は一般用医薬品(OTC薬><ref>『はじめの一歩の薬理学』、P160</ref>)として、処方箋なしで入手できる<ref>『パートナー薬理学』、P325</ref>。
:※ OTCとは、処方箋なしで買える薬の呼称は、日本では「一般用医薬品」という呼び名が定着しているが、国際的には、over he counter (カウンター越し)の略で OTC という。
 
ただし副作用として、シメチジンには抗アンドロゲン作用があるため特有の副作用があり、プロラクチン分泌などを起こし、男性では女性化乳房、女性では乳漏症などの副作用がある。
 
また、シメチジンはチトクロムP-450系(CYP)酵素を阻害するため、これらの酵素に関わっている他の薬剤との薬物相互作用に注意する必要がある。
 
== 脚注 ==