「高等学校数学II/式と証明・高次方程式」の版間の差分

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== コラム: 5次方程式のの公式」係数に有限回の四則演算と根号をとる操作の組み合わせで表すことができない ==
2次方程式には解の公式があり、日本の中学や高校でも習う。2次方程式の解の公式を用いれば、どんな係数の2次方程式であっても解を求められる。3次方程式と4次方程式にも、じつは解の公式があり、係数がどんな係数であっても解を求められる。
 
2次方程式には解の公式があり、日本の中学や高校でも習う。2次方程式の解の公式を用いれば、どんな係数の2次方程式であっても解を求められる。3次方程式と4次方程式にも、じつは解の公式がありは存在し、係数がどんな係数であっても解を求められる。これらの解の公式は係数に有限回の四則演算と根号をとる操作の組み合わせで表すことができる。5次方程式にも解の公式が存在するが、5次方程式の解の公式は、2次方程式や、4次方程式のように、係数に有限回の四則演算と根号をとる操作の組み合わせで表すことができない
しかし、5次方程式では、そのような一般的な解の公式は無い。
 
もちろん、<math> x^5 -32 = 0 </math> のような特別な場合の5次方程式の場合簡単に解が求められる。たとえば、<math> x^5 -32 = 0 </math> は解のひとつとして <math> x=2 </math> をもつ。しかし、特別な係数の組み合わせの場合に解を求めることができることと、一般的な解の公式の存在とは、意味が違う。5次方程式に、一般的な解の公式が存在しないとは、どんな係数の組み合わせであっても適用できる、普遍的な解の公式が無いという事である
 
一般の5次方程式の解の公式を求めるには、レベル5のモジュラー方程式の解を利用する方法と、超幾何級数を利用する方法がある。
なお、その証明を理解するには、19世紀に生まれた「ガロア理論」という高度な数学を理解する必要があり、ここでその解説をすることはとても困難なので割愛する。
 
なお、それを証明を理解するには、19世紀に生まれた「[[ガロア理論]]という高度な数学を理解する必要があり、ここでその解説をすることはとても困難なので割愛する。
 
== 演習問題 ==