「薬理学/感染症の治療薬」の版間の差分

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タンパク質合成酵素阻害薬
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副作用として、サルファ薬は血中アルブミンと結合するので副作用として高ビリルビン血症があり、そのため新生児の核黄疸を引きおこすので、妊婦や乳児にはサルファ薬は禁忌である<ref>『NEW薬理学』、P535</ref><ref>『パートナー薬理学』、P481</ref>。
 
 
=== タンパク質合成酵素阻害薬 ===
動物細胞のリボソームと細菌のリボソームには違いがある。なので、細菌のリボソームを標的として抗菌薬は、選択毒性が高い<ref>『はじめの一歩の薬理学』、P278</ref>。
 
ヒトを含む動物のリボソームのタンパク沈降係数が 80S であるのに対し、原核生物のリボソームでは 70S であり、この差の理由は構造が異なるのが理由である<ref>『標準薬理学』、P426</ref>。
 
なお、細菌の沈降係数 70S の内訳は、50S のサブユニット と 30Sのサブユニット の結合である。細菌の、最終的な沈降係数が足し合わせた数(50+30=80)にならない理由は、沈降係数というのはそういうものだからである<ref>『はじめの一歩の薬理学』、P272</ref>(つまり、計算ミスではない)。
 
なお、真核生物のミトコンドリアのリボソームは細菌由来であるため 70S である<ref>『標準薬理学』、P426</ref>。
:※ ヒトおよび動物には、ミトコンドリアのリボソ-ムとは別に、もう一種別のリボソームがある。というか、ミトコンドリアのほうが、宿主の動物のリボソームとは別に独自のリボソームをもっている、と言ったほうが近い。
 
 
タンパク質合成酵素阻害薬で具体的には、'''クロラムフェニコール'''、 '''テトラサイクリン系抗生物質'''がある。
 
 
'''クロラムフェニコール'''は、細菌の沈降係数 50S のリボソームサブユニットに結合する<ref>『標準薬理学』、P431</ref><ref>『パートナー薬理学』、P476</ref>。
 
クロラムフェニコールは、腸チフス、パラチフス、サルモネラに対する第一選択薬である<ref>『パートナー薬理学』、P476</ref><ref>『NEW薬理学』、P530 </ref>。
 
副作用として、肝機能などの薬物代謝機能の未熟な新生児では、グレイ症候群(灰色症候群)が現れやすい。
 
== 脚注 ==