「薬理学/感染症の治療薬」の版間の差分

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タンパク質合成酵素阻害薬で具体的には、'''クロラムフェニコール'''、 '''テトラサイクリン系抗生物質'''、'''ストレプトグラミン系抗生物質'''、などがある。
 
 
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副作用として、肝機能などの薬物代謝機能の未熟な新生児では、グレイ症候群(灰色症候群)が現れやすい。
 
 
'''テトラサイクリン'''は、環の4つ直線状につながった構造が基本骨格になっている。(けっして「4員環」ではない。「4員環」とは、炭素が4つからなるC4化合物の環のこと。テトラサイクリンの1つ1つの環は6個の炭素Cからなるので、6員環である。パートナー薬理学に「4員環」という表記があるが誤植・誤記だろう。)
 
テトラサイクリン系抗生物質には、'''テトラサイクリン'''、ドキサイクリン、ミノサイクリンなどがある。マグネシウム、カルシウム、鉄、などと不溶性<ref>『標準薬理学』、P429</ref>・難溶性<ref>『パートナー薬理学』、P470</ref><ref>『はじめの一歩の薬理学』、P279 </ref>のキレート化合物を作る<ref>『標準薬理学』、P429</ref>。つまり、どうやら2価および3価の金属とキレート化合物を作るようである<ref>『パートナー薬理学』、P470</ref><ref>『はじめの一歩の薬理学』、P279 </ref>。
 
テトラサイクリン系抗生物質は、腸管からの吸収に優れているので<ref>『NEW薬理学』、P428</ref>、内服できる<ref>『パートナー薬理学』、P470</ref><ref>『NEW薬理学』、P428</ref>。
 
なので、これらの金属を含む制酸剤や鉄材と併用すると吸収が低下する<ref>『はじめの一歩の薬理学』、P279 </ref><ref>『NEW薬理学』、P428</ref>。また、牛乳でも吸収が低下する<ref>『はじめの一歩の薬理学』、P279 </ref><ref>『パートナー薬理学』、P470</ref>。
 
骨や歯のカルシウムとキレートを作る可能性がある。テトラサイクリン系抗生物質は吸収物などが母乳や胎児にも移行するので<ref>『NEW薬理学』、P428</ref>、前述のカルシウムの沈着やその他にも肝障害<ref>『標準薬理学』、P429</ref>などの副作用も報告されているので、乳幼児や妊婦には避けるべきである<ref>『パートナー薬理学』、P470</ref>。なお、この抗生物質は歯を着色させ<ref>『標準薬理学』、P429</ref>、黄変させる<ref>『はじめの一歩の薬理学』、P279 </ref>。
 
テトラサイクリン系抗生物質の機序としては、どうやら30Sリボソームと結合しているらしい。(※ 『標準薬理学』と『パートナー薬理学』とで、説明が食い違っている。なお『NEW薬理学』はどのリボソームとどう結語してるかは全く言及せず静観を決め込んでいる。)
 
テトラサイクリン系抗生物質は、リケッチア、マイコプラズマ、クラミジア、などに有効である<ref>『パートナー薬理学』、P470</ref><ref>『NEW薬理学』、P428</ref>。なお、β-ラクタム系抗生物質やアミノグリコシド系抗生物質は リケッチア、マイコプラズマ、クラミジア、 には無効である<ref>『パートナー薬理学』、P470</ref>。
 
 
'''ストレプトグラミン系'''では、'''キヌプリスチン'''と'''ダルホプリスチン'''の合剤が日本では使われている。
 
== 脚注 ==