「薬理学/感染症の治療薬」の版間の差分

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その他、サイクロセリンなどの抗結核薬がある。
 
 
:※ ハンセン病の治療薬については、『標準薬理学』しか紹介してないので、本wikiでは省略。
 
 
== 抗真菌薬 ==
=== 概要 ===
いわゆる「カビ」や「キノコ」が真菌である<ref>『はじめの一歩の薬理学』、P283</ref>。真菌は真核生物である。
 
われわれ人を含む脊椎動物などの高等生物の細胞も(「真菌」ではないが)真核細胞である。
 
一方、細菌は、真核生物ではなく、原核生物である。
 
よって、真菌は細菌よりも、高等生物により近い。
 
 
このため、抗真菌薬にのみ高い毒性を示す薬の開発は難しい<ref>『パートナー薬理学』、P483</ref><ref>『はじめの一歩の薬理学』、P283</ref> 。
つまり、選択毒性の高い薬の開発は、抗真菌薬では難しい<ref>『パートナー薬理学』、P483</ref>。
 
なぜなら、真菌の細胞は原核生物の細胞よりも、高等動物との共通点が多いからである。
 
もし例外的に真菌に高い選択毒性を示す薬は、あっても少ない<ref>『標準薬理学』、P438</ref>。
 
しかし幸運なことに、一般に真菌の病原性は弱い。だが、患者の免疫力が低下している場合は、真菌に感染する場合もある<ref>『パートナー薬理学』、P483</ref><ref>『はじめの一歩の薬理学』、P283</ref> 。
 
免疫抑制薬などの使用により免疫が低下している場合もある<ref>『はじめの一歩の薬理学』、P283</ref>。免疫力が低下している場合は、真菌の感染によって死亡の結果になる致死的な場合もある。
 
このように、健康な免疫力の普通の人には無害であっても、免疫の低下している人は害をもたらす感染のことを「日和見感染」という。
 
 
真菌には、カンジダ属、クリプトコッカス属、アスペルギルス属、などがある。
 
 
=== アゾール系 ===
真菌ラノステロールというステロイド<ref>『はじめの一歩の薬理学』、P283</ref>の一種の、C-14 脱メリル酵素を阻害する<ref>『はじめの一歩の薬理学』、P283</ref><ref>『標準薬理学』、P439</ref>。
 
ラノステロールは、真菌の細胞膜のエルゴステロールの合成に必要なので、上記のようにラノステロールを阻害することで真菌を阻害できるという仕組み。
 
しかしヒトや高等動物の薬物代謝酵素チトクロムP450<ref>『NEW薬理学』、P538 </ref>(CYP)も阻害されてしまうので、副作用あり。特にCYP3AとCYP2C9がアゾール系との親和性が高いので疎外されやすい<ref>『はじめの一歩の薬理学』、P283</ref>。
 
 
アゾール系抗真菌薬は分類として、さらにイミダゾール系とトリアゾール系に分類される。
 
イミダゾール系としては、ミコナゾール、ケトコナゾール、エコナゾール、クロトリマゾール、などがある。
 
 
トリアゾール系としては、フルコナゾール、イトラコナゾール、などがある。
 
 
ポリコナゾールは、アスペルギルス属に有効<ref>『標準薬理学』、P439</ref><ref>『NEW薬理学』、P538 </ref>。
 
 
CYP3Aに対する阻害作用は、イミダゾール系のほうが(トリアゾール系よりも)強い<ref>『NEW薬理学』、P538 </ref><ref>『パートナー薬理学』、P484 </ref>。
 
 
=== ポリエン系 ===
'''アムホテリシンB'''が…
:※ 記述中.
 
== 脚注 ==