「線型代数学/固有値と固有ベクトル」の版間の差分

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K.ito (トーク | 投稿記録)
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==== 例 ====
[[ファイル:Eigenvectors.gif|サムネイル|行列<math>A</math>によって引き起こされる線形変換。]]
行列<math>A = \bigl( \begin{smallmatrix} 2 & 1 \\ 1 & 2 \end{smallmatrix} \bigr)</math>の固有値と固有ベクトルを求める。右の図はこの行列によって引き起こされる変換を示している。この行列<math>A</math>の固有値と固有ベクトルを求める。
 
右の図はこの行列によって引き起こされる変換を示している。
 
この行列<math>A</math>の固有値と固有ベクトルを求める。
 
<math>|A-\lambda I| = \begin{vmatrix} 2-\lambda & 1 \\ 1 & 2-\lambda \end{vmatrix}
=\lambda^2 -4\lambda + 3 = (\lambda-1)(\lambda-3)=0</math>
 
よりなので、方程式<math>(\lambda-1)(\lambda-3)=0</math>を解いて、行列<math>A</math>の固有値は1と3である。
 
次に固有ベクトルを求める。固有ベクトルを求めるには、<math>(A-\lambda I)\mathbb x = 0</math>を満たすベクトル<math>\mathbb x</math>を求めれば良い
 
<math>\lambda = 1</math>に対応する固有ベクトルを求めるには、<math>(A-I=\lambdabegin{pmatrix} I)1 & 1 \\ 1 & 1 \end{pmatrix}</math>であることから、<math>\begin{pmatrix} 1 & 1 \\ 1 & 1 \end{pmatrix}\mathbb x = 0</math>を満たすベクトルである。すなわち、固有ベクトルは<math>\mathbb x = \binom{1}{-1}</math>を求め及び、こば良いを任意の定数倍したものである
 
<math>\lambda = 13</math>に対応する固有ベクトルは、<math>(A-I)3I= \mathbbbegin{pmatrix} x-1 =& 1 \\ 1 & -1 \end{pmatrix}</math>であることから、<math>\begin{pmatrix} -1 & 1 \\ 1 & -1 \end{pmatrix}\mathbb x = 0</math>よりを満たすベクトルである。すなわち、固有ベクトルは<math>\mathbb x = \binom{1}{-1}</math>及び、これを任意の定数倍したものである。
 
右の図では、紫のベクトルは、固有値1に対応する固有ベクトル<math>\binom{1}{-1}</math>に平行なベクトルである。青のベクトルは、固有値3に対応する固有ベクトル<math>\binom{1}{1}</math>に平行なベクトルである。紫のベクトルは、変換された後も、方向は変らず、長さも変わっていない。青のベクトルは、変換された後も、方向は変らず長さは3倍になっている。固有ベクトルではない赤のベクトルは、変換された後、方向を変えている。
<math>\lambda = 3</math>に対応する固有ベクトルは、<math>(A-3I) \mathbb x = \begin{pmatrix} -1 & 1 \\ 1 & -1 \end{pmatrix}\mathbb x=0</math>より、固有ベクトルは<math>\mathbb x = \binom{1}{1}</math>及び、これを任意の定数倍したものである。
 
次に、固有空間を以下のように定義する。
右の図では、紫のベクトルは、固有値1に対応する固有ベクトル<math>\binom{1}{-1}</math>に平行なベクトルである。青のベクトルは、固有値3に対応する固有ベクトル<math>\binom{1}{1}</math>に並行なベクトルである。
 
紫のベクトルは、変換された後も、方向は変らず、長さも変わっていない。青のベクトルは、変換された後も、方向は変らず。長さは3倍になっている。固有ベクトルではない赤のベクトルは、変換された後、方向を変えている。
 
次に、固有空間を以下のように定義する。
====固有空間====
'''定義'''