「ゲームプログラミング/バランス調整」の版間の差分

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→‎ゲーム作家の体感の難易度はズレやすい: :* クリア保証、 :* 難易度の自動調整機能、
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プログラミングというよりゲームデザインの話題かもしれないが、そのゲームの簡単さ・難しさといった難易のバランス調整も、コツがいろいろとある。
 
==== 具体的な方法 ====
結論から言うと、多くのゲームデザインの文献で、やや簡単めに調整されたバランスでゲームを作るのが安全であると主張されている。
 
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==== 背景事情 ====
一般的にゲーム作家の側は、自作のゲームをプレイしたときの体感の難易度(なんいど)が、(他のプレイヤーよりも)自作ゲームを「やさしめ」に感じてしまいまちである。
 
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なのに不慣れな作家は、RPG制作ならドラクエだけを前提にしたシステムを作りがちであり、その結果、不慣れな新人フリーゲーム作家などはクソゲーなのに経験値かせぎに時間を何十時間もかけないとクリアできないという大クソゲーを作りがちである。
 
なぜ、こうなるかというと、売れた作品、話題作だけを参考にするからである。素人でも知っているようなファミコン時代の話題作が話題になった理由には、1980〜90年代当時の時代背景があり、それは現在では陳腐化していたりして適さない場合もあるが、話題作しかプレイしないと、「ゲームはそういうもの」だとして表面的にマネしがちである。
 
ゲーム制作において、人気作や人気シリーズを、手本の中心にすえる必要があるが、しかし、けっして人気ゲームだけをマネしようとしてはいけない。名作が名作である意義を確認するためには、同時代の他社の作品や、それ以前の過去の作家の作品が、いかに駄作だったかを把握する必要がある。駄作と名作との比較により、理解が深まる<ref>[https://news.denfaminicogamer.jp/interview/200615a/3 吉田寛・松永伸司『“ゲームらしさ”をもっと深く語りたい!そんなあなたのためのゲームスタディーズ入門』、電ファミニコゲーマー、2020年6月15日 12:02 ] 2020年11月27日に閲覧して確認.</ref>。
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ともかく、ゲームでも、名作ばかりプレイしていてもダメであり、つまり知名度だけでプレイするゲームを選んでいては、他のクリエイターに利用されて養分になるだけである。
 
なお、ドラクエのレベル成長のシステムはこれはこれで画期的であり、どう画期的かを一言でいうと「クリア保証」である<ref>[https://news.denfaminicogamer.jp/column05/170905b 『「レベルを上げて物理で殴る」の素晴らしさをゲームデザイナー視点で語ろう。ドラクエで学ぶ「RPGメカニクス」の3大メリット【ゲームの話を言語化したい:第四回】』2017年9月5日 16:30 ] 2020年12月21日に閲覧して確認.</ref>。どういう事かというと、参考文献のリンク先の記事にも書いてあるが、ファミコン以前の1980年代のアーケードゲームではプレイヤーが上手い操作を学習しないとクリアできなかったが、しかしファミコン以降の家庭用RPGでは、プレイヤーの興味ないことは学習しないでも、代わりにレベル上げなどに多少の時間を掛ければゲームクリアできるようになったのである。
 
たとえば、プレイヤーが攻略法のわからないダンジョンでも、最悪の場合でも経験値かせぎに多少の時間を掛ければ、そのダンジョンのボスを倒せるなどして、かならず最後にはゲームクリアが出来る、というような事でもある。
なお、サンサーラナーガ2へのよくある批判として、キャラクターが成長しないことが非常にバランスを欠いたものになっている一因(一般戦闘が無駄に長期化、成長しない=打たれ弱いキャラが死ぬと戦闘終了)ということも考慮すべきである。
 
その他の例では、たとえばゲーム終盤になってから未探検だった序盤の一部ダンジョンを冒険する際、プレイヤーには既にもっと難しいダンジョンを冒険してるのでその未探検ダンジョンから学習できることは少ないが、プレイヤーキャラのレベルが高いために未探検の序盤ダンジョンの敵はプレイヤーにはすでに弱くなっているので、その残っていた未探検ダンジョンにあまり苦労せずに時間を掛けなくてもダンジョンクリアできるように、難易度が上手い感じに自動調節<ref>[https://news.denfaminicogamer.jp/column05/170905b 『「レベルを上げて物理で殴る」の素晴らしさをゲームデザイナー視点で語ろう。ドラクエで学ぶ「RPGメカニクス」の3大メリット【ゲームの話を言語化したい:第四回】』2017年9月5日 16:30 ] 2020年12月21日に閲覧して確認.</ref>されるなど、RPGのレベルシステムおよび類似システムにはそういった側面もある。
 
 
要するに、
:* クリア保証、
:* 難易度の自動調整機能、
の2つが、ドラクエ的なレベルシステムの面白さの本質的・醍醐味である。もし、このクリア保証のないデザインのRPGは(RPGでも古いゲームやフリーゲームなどで時々みかける)、表面的にはドラクエ的なインターフェースやステータス画面のであっても、中身は似て非なるものである。
 
古いゲームなどのバランス調整の失敗(作者にとっては意図的かもしれないが)でよくある失敗として、レベルの上昇の上限を低いところに設定しすぎて、クリア困難になる事例があった。なので、現代への教訓としては、そもそもレベル制限を設けないほうが安全である。
 
また、もしレベル制限がなかったとしても、レベル上げや資金稼ぎによる装備強化などをしてもそれだけでは最終ボス敵を倒しやすくならない調整をされている場合、シナリオ上の特別な理由があるなら別だが、そうでない場合は単にバランス調整ミスである。
 
また、せっかくレベルアップによってヒットポイントなどのパラメータが上昇しても、最終ボス敵の攻撃技がたとえば「必ず相手のヒットポイントの2分の1のダメージ」などのような最大ヒットポイントの相対値で威力の決まる内容の攻撃技の場合(たとえばファイナルファンタジーの魔法「グラビデ」がこういった相対値ダメージのシスエムだった)、主人公のヒットポイントの価値が無効化される。何よりマズイのは、そもそも「クリア保証」が無効化された事、および「難易度の自動調節機能」が無効化された事である。よって、こういう相対値で算出されるダメージの攻撃技を連発してくる敵を、けっして本編シナリオの撃破必須ボスなどに入れてはならない。(どうしてもゲーム中にそういうボスを入れるなら、なるべくクリア不要のサブクエストなどに入れよう。) 例に出したファイナルファンタジー5はさすがにそういう事を把握しており、ボス敵が魔法「グラビデ」を連発する事はけっして無い。
 
 
なおさて各論としては、サンサーラナーガ2へのよくある批判として、キャラクターが成長しないことが非常にバランスを欠いたものになっている一因(一般戦闘が無駄に長期化、成長しない=打たれ弱いキャラが死ぬと戦闘終了)ということも考慮すべきである。