「生理学」の版間の差分

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外殻部の温度は、外気温の影響を受けて変動する。
 
脳や心臓や腹部臓器の温度のことを「核心温」(core temperature)または「核心温度」という。
:※ 「核心温」でも「核心温度」でも、どちらでもいい。『標準生理学』でも、単元によって「核心温」か「核心温度」か表記が異なっており、統一されていない。英語はどちらとも core temperature である。なお、核心温のことを深部体温 deep body temperature という場合もある<ref>『標準生理学』、P871</ref>。
 
ただし、風邪などによって核心部の体温が上がることがある。
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=== 解釈など ===
核心部の体温を一定に調節する機構が、明らかに体内に存在している。
 
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さて、風邪によってワキのしたの温度が高くなるように、風邪によって核心部の温度がやや上昇すると考えるのが妥当であろう。
:(※ 厳密には、ワキの下は表皮だが、しかしワキ下は肉が薄いので、擬似的にワキ下の温度は核心温に近いだろう、と考えられている。)
 
臨床においても、舌下温または腋窩温<ref>照井直人『はじめの一歩のイラスト生理学 改訂 第2版』、羊土社、2018年4月10日 第2版 第7刷発行、P165、</ref>(えきかおん)が体温の測定の際でよく用いられる。
腋窩(えきか)とは、ワキの下のこと。
 
 
この事から、核心部の温度は、永久不変ではなく、体調などによて変わると考えるべきである。
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プロスタグランジン阻害剤などの熱さましの薬は、セットポイントを変更し、風邪でない状態の平熱のときのセットポイントに戻す薬という事になる。
 
 
=== 温度の測定部位 ===
なお、医学実験的において核心温として測定される部位は、舌下温<ref>照井直人『はじめの一歩のイラスト生理学 改訂 第2版』、羊土社、2018年4月10日 第2版 第7刷発行、P165、</ref>、食道温、直腸温、鼓膜温、である<ref>彼末一之・能勢博『やさしい生理学 改訂 第7版』、南江堂、2019年5月20日 第7版 第2刷発行、P137、</ref>。
 
哺乳類の場合、脳の温度を非侵襲的に測定するのは不可能である<ref>彼末一之・能勢博『やさしい生理学 改訂 第7版』、南江堂、2019年5月20日 第7版 第2刷発行、P137、</ref><ref>照井直人『はじめの一歩のイラスト生理学 改訂 第2版』、羊土社、2018年4月10日 第2版 第7刷発行、P165、</ref>。この文脈でいう「非侵襲的」とは、「外科手術などを伴わないで」というような意味。
 
そこで、赤外線サーモグラフィーで頭部の赤外線を測定することで、代わりに生体・活動中のヒトの脳の温度を推定することが、よく行われている<ref>彼末一之・能勢博『やさしい生理学 改訂 第7版』、南江堂、2019年5月20日 第7版 第2刷発行、P137、</ref>。
 
ただし、汗が多い場合、脳からの赤外線ではなく汗の赤外線を測定しまっている可能性がある<ref>彼末一之・能勢博『やさしい生理学 改訂 第7版』、南江堂、2019年5月20日 第7版 第2刷発行、P137、</ref>。
 
 
 
一方、臨床的には、腋窩温(えきかおん)または舌下温(または口腔温)が核心温として測定されることが多い。
 
 
直腸温、鼓膜温、食道温、舌下温(口腔温)、腋窩温 が、この順番で、直腸音がもっとも温度が高く、そして腋窩温が最も温度が低い。
 
 
なお、「腋窩温」<ref>『生理学テキスト』、P504 </ref>(えきかおん)は「腋下温」<ref>『標準生理学』、P872 </ref>(えきかおん)とも書く。
 
直腸音が最も温度が高い。
 
 
 
 
=== 概実リズム との関係 ===