「高等学校生物/生物I/遺伝情報とDNA」の版間の差分

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ヒトの[[w:赤緑色覚異常|赤緑色覚異常]]の遺伝子は、X染色体上にある劣性遺伝子である。
:男性はそもそもX染色体を一つしかもたないので、そのX染色体に色覚異常遺伝子があれば、発症する。
優性遺伝子と劣性遺伝子をそれぞれA,aと表すと、
:いっぽう女性は、X染色体を2つもつので、両方のX染色体に色覚異常遺伝子がある場合にだけ発症する。女性において線染色体の片方だけに色覚異常の遺伝子がある場合、発症はしない。(しかし保因者(ほいんしゃ)である。)
 
記号的に書けば、優性遺伝子と劣性遺伝子をそれぞれA,aと表すと、
X<sup>A</sup>、X<sup>a</sup>のように表す。
:男性では、X<sup>A</sup>Y、X<sup>a</sup>Yの2種類の遺伝子型があり、X<sup>a</sup>Yの場合のみ色覚異常となる。
:女性では、X<sup>A</sup>X<sup>A</sup>、X<sup>A</sup>X<sup>a</sup>、X<sup>a</sup>X<sup>a</sup>の3種類の遺伝子型があり、X<sup>a</sup>X<sup>a</sup>の場合のみ色覚異常となる。
このように、伴性遺伝は性別によって遺伝の仕方が異なる。
 
このようなメンデル遺伝的な理由もあって男性のほうが統計的には遺伝性の色覚異常は多いが、しかし女性でも遺伝性の色覚異常者はいる<ref>KIM E. BARRETT ほか原著改訂、岡田泰伸 監訳『ギャノング生理学 原著23版 』丸善株式会社、平成23年1月31日 発行、P233、節『クリニカルボックス 12-6 色覚異常』</ref>。
:※ しばしば、「色覚異常は男性だけ」のような誤解の書かれている医療入門書もあるが、そのような入門書の記述は間違いである。
 
=== 連鎖と組み換え ===