「薬理学/生理活性物質と消化器作用薬」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
519 行
;催胆薬
催胆薬には、動物(クマなど)の胆汁の成分でもある'''ウルソデオキシコール酸'''、及びその立体異性体<ref>『パートナー薬理学』、P341 </ref>である'''ケノデオキシコール酸'''などがある。なお、現在はコール酸からウルソデオキシコール酸を化学合成できる<ref>『標準薬理学』、P555 </ref>。古くは動物から採取していた時代もあった。なお、ヒトの胆汁にも成分のひとつとしてコール酸とデオキシコール酸およびケノデオキシコール酸そのものは、それぞれ含まれている<ref>KIM E. BARRETT ほか原著改訂、岡田泰伸 監訳『ギャノング生理学 原著23版 』丸善株式会社、平成23年1月31日 発行、P.516 </ref>。
 
催胆薬のことを「利胆薬」とも言う<ref>『標準薬理学』、P555 </ref>。
 
:※ 生理学の記述を、間借りで記載.
なお、胆汁に含まれるなどのコール酸やデオキシコール酸やケノデオキシコール酸などの酸のことをまとめて、'''胆汁酸'''(bile acid<ref>KIM E. BARRETT ほか原著改訂、岡田泰伸 監訳『ギャノング生理学 原著23版 』丸善株式会社、平成23年1月31日 発行、P.516 </ref>)という<ref>KIM E. BARRETT ほか原著改訂、岡田泰伸 監訳『ギャノング生理学 原著23版 』丸善株式会社、平成23年1月31日 発行、P.516 </ref>。胆汁酸は生理的には肝臓で<ref>『標準生理学』、P830</ref>コレステロールから合成される<ref>『標準生理学』、P830</ref><ref>KIM E. BARRETT ほか原著改訂、岡田泰伸 監訳『ギャノング生理学 原著23版 』丸善株式会社、平成23年1月31日 発行、P.516 </ref>。また生化学的には胆汁酸はステロイド核を持つ化合物である<ref>KIM E. BARRETT ほか原著改訂、岡田泰伸 監訳『ギャノング生理学 原著23版 』丸善株式会社、平成23年1月31日 発行、P.516 </ref>。なので、たとえば、コール酸はステロイド核を持つ<ref>KIM E. BARRETT ほか原著改訂、岡田泰伸 監訳『ギャノング生理学 原著23版 』丸善株式会社、平成23年1月31日 発行、P.516 </ref>。
 
 
コール酸は、腸内に入ると、腸内細菌の作用により、デオキシコール酸に変わる<ref>『標準生理学』、P830</ref><ref>KIM E. BARRETT ほか原著改訂、岡田泰伸 監訳『ギャノング生理学 原著23版 』丸善株式会社、平成23年1月31日 発行、P.516 </ref>。
 
その他、リノコール酸も腸内細菌の作用により、ケノデオキシコール酸から作られる。腸内細菌から作られる、これらデオキシコール酸およびリノコール酸のことをまとめて'''二次胆汁酸'''という<ref>『標準生理学』、P830</ref><ref>KIM E. BARRETT ほか原著改訂、岡田泰伸 監訳『ギャノング生理学 原著23版 』丸善株式会社、平成23年1月31日 発行、P.516 </ref>。
 
二次胆汁酸のうち、リノコ-ル酸は大部分が便で排泄されるが、一方でデオキシコール酸は再吸収され門脈経由で肝臓に戻る<ref>『標準生理学』、P830</ref><ref>KIM E. BARRETT ほか原著改訂、岡田泰伸 監訳『ギャノング生理学 原著23版 』丸善株式会社、平成23年1月31日 発行、P.517 </ref>。。
 
胆汁酸は、肝臓でアミノ酸のグリシンまたはタウリンと抱合する<ref>『標準生理学』、P830</ref><ref>KIM E. BARRETT ほか原著改訂、岡田泰伸 監訳『ギャノング生理学 原著23版 』丸善株式会社、平成23年1月31日 発行、P.516 </ref>。
 
 
胆汁酸は、生体内では、化学的には親水基と疎水基を両方とも持つ'''両親媒性''' (amphipathic<ref>KIM E. BARRETT ほか原著改訂、岡田泰伸 監訳『ギャノング生理学 原著23版 』丸善株式会社、平成23年1月31日 発行、P.516 </ref>) の化合物として存在する<ref>KIM E. BARRETT ほか原著改訂、岡田泰伸 監訳『ギャノング生理学 原著23版 』丸善株式会社、平成23年1月31日 発行、P.516 </ref><ref>『標準生理学』、P830</ref>。
 
そのため、高校化学でも「両親媒性の化合物は水中でミセルを形成しやすい」などと習うように、ミセル micelle<ref>KIM E. BARRETT ほか原著改訂、岡田泰伸 監訳『ギャノング生理学 原著23版 』丸善株式会社、平成23年1月31日 発行、P.516 </ref> として胆汁酸は存在する。つまり、胆汁酸の単位分子は、親水基を外側に、疎水基を内側にして集まって配列するというミセルを形成する。
 
 
「利胆薬」とも言う<ref>『標準薬理学』、P555 </ref>。
 
;排胆薬