「高等学校美術I」の版間の差分

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Honooo (トーク | 投稿記録)
うーん、章立ては変えたほうがいいんじゃあないかな…ところですじにくさん、Eulerさん、明けましておめでとうございます(^^)
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== 望遠パース推進と広角パース否定 ==
[[File:Compression Depth diagram japanese B.svg|thumb|650px|奥行きの長い立方体を描くなという主張<br>※ 『[[中学校技術/材料と加工に関する技術を利用した製作品の設計・製作#キャビネット図|キャビネット図]]』とは、中学校の技術科で習う製図技法のひとつ。(※リンク先はwikibooks中学技術科)]]
 
美術では、作風にもよりますが、望遠パースと広角パースは、都合に応じて逆らって使われます。実写のカメラでは本来、望遠レンズと広角パースがひとつなぎののカットで混在する事はありませんが、しかし手描きの絵画やアニメなら、カメラでは不可能な映像を作ることも出来ます。
 
たとえば、有名アニメ映画監督の使う手法で、群集シーンなどで人物は望遠パースだが、建物などの背景は広角パースで描く、という手法もあります。有名な例では、アニメ映画『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』などで有名なアニメ会社スタジオジブリが、よくそういった望遠パースと広角パースとの混在で、群衆シーンなどの絵を書きます。(たとえば1998年ごろの日本テレビ系列の科学番組『特命リサーチ200X』で、ジブリのそういう作画技法がテレビで紹介された事もあります。また、同様の内容はドキュメンタリーDVD書籍『「もののけ姫」はこうして生まれた』でも確認できます。)もし広角パースを人物にも使うと人物も縮小してしまいますが、しかし演出の都合で人物をなるべく大きく表現したい場合が多々ありますので、そういった場合に、人物だけ望遠パース的に、縮小率を小さくしたりする場合もよくあります。屋外シーンなどでよく、望遠パースと広角パースの意図的な混在が使われます。
 
 
 
また、マンガなどでも、「嘘パース」(うそパース)と言って、演出などの必要に応じて、カメラレンズならありえない程度に極端に手前のものが大きくなったパースを使う場合もあります。よく格闘マンガなどで、パンチで突き出した拳が、実際の構図よりも手がかなり大きかったりしますが、これも嘘パースの例です。
 
しかし、このようなパース混在の手法が比較的に容易に実装できるのは、手描きの絵の場合です。コンピュータグラフィックの場合、そのソフトウェアのシステムにもよりますが、嘘パースや広角・望遠の混在パースなどは、実装が難しくなります。CGで嘘パースなどを表現する場合、代替的に、そのシーンだけキャラクター3Dモデルを別途作成したりして、表現します。つまり、手前に来る人物だけ大きさを拡大した巨人のモデルにしたり、あるいは格闘のパンチシーンなら手だ大きいキャラクターモデルを作ってそのモデルに入れ替えたりして表現します。たとえば2012年のアニメ映画『アシュラ』(ジョージ秋山 原作、東映アニメーション制作、プロダクションIG制作協力)でも、そのように3Dモデルを別途作成することで、CGでの嘘パースを実装しています。
 
嘘パースなどは、上述のように作成に手間が掛かるので、(アニメ映画なら可能かもしれませんが、しかしプレステ作品などの)ゲームソフトの3D映像で表現するのは難しいかもしれません。
 
 
演出によるウソの映像は、パースのほかにも、光源によるウソも比較的に芸術業界では有名な演出です。
 
太陽はひとつですので、太陽光も一方向からやってくるのが、自然な光です。しかし、ポスターイラストなどでは、被写体の立体感を強調するために、しばしば、観客に分からない程度にさりげなく、光源を2~3個用意した構図のイラストが描かれている場合も多々あります。
 
イラストだけでなく、女優モデルなどの写真撮影でも同様の撮影技法があり、被写体の立体感を強調するために光源を複数用意して、暗室などでメインの光源1つとサブ光源1~2個で被写体の女優を照らして撮影するというテクニックも、ときどき使われている事もあります。
 
 
:※ ここから上と下とで、記事の編集者が異なります。
 
世の絵描きの中には、画角の小さい望遠パースだけを採用して、その方針の下、割と教条的に絵画技法をまとめ上げて、実用に供している人たちがいるようで、そういう人たちのルールの一つに、直線を引いて一点透視や二点透視を近似的に描く透視図法は、遠くにある物を描く場合でしか使えない<ref>西澤晋『リアルなキャラクターを描くためのデッサン講座』 (漫画の教科書シリーズ No.03) 、誠文堂新光社、2009年7月31日発行、146ページ</ref>、というものがあるようです。
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画角の広い広角の絵を認めたうえで、リアルな、効果的な絵を描くためには、もう少し一般的な遠近法、透視図法の理解が必要になりますし、逆に教条的、教文的絵画技法は、絵画活動や画法理解の障害になる場合もあります。
 
==現実にない空間を作る==
美術では、作風にもよりますが、望遠パースと広角パースは、都合に応じて逆らって使われます。実写のカメラでは本来、望遠レンズと広角パースがひとつなぎののカットで混在する事はありませんが、しかし手描きの絵画やアニメなら、カメラでは不可能な映像を作ることも出来ます。
 
たとえば、有名アニメ映画監督の使う手法で、群集シーンなどで人物は望遠パースだが、建物などの背景は広角パースで描く、という手法もあります。有名な例では、アニメ映画『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』などで有名なアニメ会社スタジオジブリが、よくそういった望遠パースと広角パースとの混在で、群衆シーンなどの絵を書きます。(たとえば1998年ごろの日本テレビ系列の科学番組『特命リサーチ200X』で、ジブリのそういう作画技法がテレビで紹介された事もあります。また、同様の内容はドキュメンタリーDVD書籍『「もののけ姫」はこうして生まれた』でも確認できます。)もし広角パースを人物にも使うと人物も縮小してしまいますが、しかし演出の都合で人物をなるべく大きく表現したい場合が多々ありますので、そういった場合に、人物だけ望遠パース的に、縮小率を小さくしたりする場合もよくあります。屋外シーンなどでよく、望遠パースと広角パースの意図的な混在が使われます。
 
また、マンガなどでも、「嘘パース」(うそパース)と言って、演出などの必要に応じて、カメラレンズならありえない程度に極端に手前のものが大きくなったパースを使う場合もあります。よく格闘マンガなどで、パンチで突き出した拳が、実際の構図よりも手がかなり大きかったりしますが、これも嘘パースの例です。
 
しかし、このようなパース混在の手法が比較的に容易に実装できるのは、手描きの絵の場合です。コンピュータグラフィックの場合、そのソフトウェアのシステムにもよりますが、嘘パースや広角・望遠の混在パースなどは、実装が難しくなります。CGで嘘パースなどを表現する場合、代替的に、そのシーンだけキャラクター3Dモデルを別途作成したりして、表現します。つまり、手前に来る人物だけ大きさを拡大した巨人のモデルにしたり、あるいは格闘のパンチシーンなら手だ大きいキャラクターモデルを作ってそのモデルに入れ替えたりして表現します。たとえば2012年のアニメ映画『アシュラ』(ジョージ秋山 原作、東映アニメーション制作、プロダクションIG制作協力)でも、そのように3Dモデルを別途作成することで、CGでの嘘パースを実装しています。
 
嘘パースなどは、上述のように作成に手間が掛かるので、(アニメ映画なら可能かもしれませんが、しかしプレステ作品などの)ゲームソフトの3D映像で表現するのは難しいかもしれません。
 
演出によるウソの映像は、パースのほかにも、光源によるウソも比較的に芸術業界では有名な演出です。
 
太陽はひとつですので、太陽光も一方向からやってくるのが、自然な光です。しかし、ポスターイラストなどでは、被写体の立体感を強調するために、しばしば、観客に分からない程度にさりげなく、光源を2~3個用意した構図のイラストが描かれている場合も多々あります。
 
イラストだけでなく、女優モデルなどの写真撮影でも同様の撮影技法があり、被写体の立体感を強調するために光源を複数用意して、暗室などでメインの光源1つとサブ光源1~2個で被写体の女優を照らして撮影するというテクニックも、ときどき使われている事もあります。
 
== メルクマール ==