「日本語/構文」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
「複文と中央埋め込み」を追加
2 行
 
==文とは何か==
文 Sentence とは個別言語に属す記号列であるが、その定義は簡単ではない。便宜的には、句点「。」の存在が文の終わりを示すため、句点で終わる記号列を文として指し示すことができる。個別言語の母語話者はどの記号列が文であり、どの記号列が非文 Non-Sentence であるかを判別することができる。
「文」というのは大まかに言って、語と、語より小さな接辞、それに、軽視されがちですが、書き言葉では句読点とから成り立っている言語表現です。
 
「文とはなにか」 ということに答えることは不可能ではないにしても、現時点ではちゃんと述べることはできません。しかし日本語を母語とするひとにとっては、ある例を示された時に、どれが日本語のちゃんとした文で、どれがダメな文か、ということについて判断を下すことができます。これは化学という分野で、化学的対象を厳密に定義することは現時点で不可能であるけれど、何が化学的対象かを判断して研究することができることと似ています。
 
中学校で教えられる国文法で明確に言われることはあまりないようですが、その授業を受ける中学生にとって、そして中学生を含む日本語の母語話者にとって、日本語の文法はすでに頭の中にある知識です。この点で、英語の文法や、母語話者でない日本語学習者にとっての日本語の文法とは異なりますが、だからといって日本語の文法とは母語話者が意識的に述べることができるような知識ではありません。
 
ここでは、上で述べたような事情から、例文を示すことによって、これをお読みになっている(と想定する)日本語母語話者の文法の知識の一部に焦点をあて、それを明確な形で説明していく形をとります。このような姿勢で「文とは何か」ということに答えると、「何もないところ、または前の句点(。)に続き、句点で終わる要素」ということになります。こんな当たり前のこと?と思われるかもしれませんが、これが確実に文を決める方法です。
 
 
==文節、および、文節相互の関係==