「独学ガイド/理工学一般/応用科学を学び始める頃合い」の版間の差分

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→‎なぜ工学を勉強しなければならないか?: 実は、自然科学の先端理論は、分野にもよりますが、発表後しばらくは追試がほとんどされていなかったり<ref>伊勢田哲治『疑似科学と科学の哲学』、名古屋大学出版会、2006年4月10日 初版第4刷、P116</ref>、追試されても追試が大分遅れてからだったり、追試があまり厳密なものではない場合がしばしばあります。
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== なぜ工学を勉強しなければならないか? ==
実は、自然科学の先端理論は、分野にもよりますが、発表後しばらくは追試がほとんどされていなかったり<ref>伊勢田哲治『疑似科学と科学の哲学』、名古屋大学出版会、2006年4月10日 初版第4刷、P116</ref>、追試されても追試が大分遅れてからだったり、追試があまり厳密なものではない場合がしばしばあります。
昭和の高度経済成長期ごろの物理とかの教科書を読むと分かるんだけど、実は昔の教養物理の教科書には、電気工学や機械力学(材料力学や流体力学)などの話題が書いてあります。
 
なぜなら自然科学には、研究費が膨大な分野が多いので、追試しようとしても金銭的・設備的に不可能な分野が多いのです。特に素粒子論の先端的な実験は、専用かつ広大な実験施設が必要であり、第三者による追試がなかなか困難です<ref>伊勢田哲治『疑似科学と科学の哲学』、名古屋大学出版会、2006年4月10日 初版第4刷、P116</ref>。
 
 
このため自然科学では、特に疑問視されている学説以外は(たとえば常温核融合<ref>伊勢田哲治『疑似科学と科学の哲学』、名古屋大学出版会、2006年4月10日 初版第4刷、P116</ref>など)、マスメディアなどで話題になっていても、まともに追試されて無い場合もあります<ref>伊勢田哲治『疑似科学と科学の哲学』、名古屋大学出版会、2006年4月10日 初版第4刷、P116</ref>。
 
生物学、特に分子生物学などでも、発表後10年ほど経ったら、実は追試したら再現性が無かった、という結末になる論文もよくあると、度々、各所で言われています。
 
 
自然科学はこのように追試が遅れる分野ですので、このため、自然科学の論文や先端的な教科書はけっして鵜吞みにしてはいけないのです。自然科学に限らず、論文は、少なくとも発表の段階では、第三者による追試はされていないのが普通なので、けっして論文を鵜吞みにしてはなりません。
 
 
だから(設備を持たない)学習者にできる事としては、勉強対象として自然科学以外にも、たとえば工学や農学、医学や薬学など、色々とありますが、ともかく実証されている分野の、実証されている比較的に古典的な実例を学んで、客観的な判断力をやしなう勉強をする必要があります。
 
高校卒業までに習う内容は、少なくとも入試で頻出の内容については物理も化学も充分な検証をされていますが、しかし大学以降はそのような保証は無いのです。
 
 
 
昭和の高度経済成長期ごろの物理とかの教科書を読むとかるんだけどでしょうが、実は昔の教養物理の教科書には、電気工学や機械力学(材料力学や流体力学)などの話題が書いてあります。
 
発電機とかモーターとかの仕組みを、高校物理よりも詳しく教えてたり、放電管やら真空管などの仕組みと電子回路(ただし真空管回路だが)を教えてたり、・・・。