「高等学校商業 経済活動と法/自然人の行為能力と制限行為能力者制度」の版間の差分

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2021年3月18日 (木) 20:47‎ 以降の Honoooの編集を取り消し、2020年7月29日 (水) 11:39時点におけるすじにくシチュー による版に差し戻し。追加の内容が乏しく、法学的な知見にも乏しく、文体もエッセイ的であり問題だらけ。最低限の文献調査をしてないと思われる。
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1 行
== 自然人の行為能力と制限行為能力者制度 ==
=== 意能力と行為能力 ===
私たちが買い物をしたり、借金をするなどの行為は、正常な判断で行われなけれならないだろう。
この項目について書く前に、まず、一般的に、能力、という言葉について少し書いておきたい。
 
法律的には、3歳のこどもが行った借金は、無効である。なぜなら、その3歳のこどもは、自分のしようとしている事を、判断できる能力が無いからである。このような、契約などの法律的な行為のさい、自分のしようとしている事の意味を判断する能力のことを'''意志能力'''という(改正民法3条の2)。
のう‐りょく【能力】
 
そして、上述のような法的な意思表示の能力の無いものが行った契約は、無効である(改正民法3条の2)。
1 物事を成し遂げることのできる力。
 
:※ 「意思能力」は学説では古くからあったが、民法の条文では、2017年制定で2020年から施行の改正民法まで、条文には「意思能力」の規定が無い状態が長らく続いていた。そこで、2017年に制定した改正民法では、「意思能力」に関する規定が条文に新設された。当然、2020年現在の改正民法では、「意思能力」の無い契約は無効であると民法の条文でも明確に定められている。
2 法律上、一定の事柄について要求される人の資格。権利能力・行為能力など。
 
:※ ただし、改正民法の条文では、具体的に何が「意思能力」の不足している例なのかの定義は具体例は無く、よって裁判の判例(はんれい)などに委ねる(ゆだねる)ことになる。
出典:デジタル大辞泉(小学館)</q>
 
…という事で、もちろんこの項目て書かれることは 2. の意味になりますが、法律でこの言葉が使われるのは、明らかに、 1. の意味を意識して継承しているからでしょう。
 
常識的にそして、幼児には意思能力認められないだろうし、重度の酩酊者(めいていしゃ)は、ビールの注文の意思能力は認められても、不動産の売買などについては意思能力を認められない。(※参考文献: 有斐閣『民法総則』加藤雅信、第2版、76ページ)。(しかしこれ、面白い話ですよね。ビールの注文の意思能力は認めるのね(^^;;;))
ちょっと決めつけで明らかに偏向している意見ですが、世の中では、いい加減で意地悪な人間ほど、この能力という言葉をやたら好んで、あらゆる機会に自分の欲望を満たすためにこの言葉を振り回す傾向があるんじゃあないですかね。
 
実際にはそういう人物に限って大した能力なんて持っていないんですが、しかし一方でその能力とやらを持っていれば、絶大に凄い人間で、威張り放題、他人を貶め放題で生きていけると思っている節がある。
 
<!--
民法
第一編 総則
第一章 通則
(基本原則)
第一条 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
3 権利の濫用は、これを許さない。
(解釈の基準)
第二条 この法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等を旨として、解釈しなければならない。
第二章 人
第一節 権利能力
第三条 私権の享有は、出生に始まる。
2 外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有する。
第二節 意思能力
第三条の二 法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。
第三節 行為能力
(成年)
第四条 年齢二十歳をもって、成年とする。
(未成年者の法律行為)
第五条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3 第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。
-->
…と、まあやや意味不明の主張からこの項目を始めますが、われわれが買い物をしたり借金をしたり、経済的な契約活動をするときは、正常な判断を持って行わなければなりませんよね。
 
例えば 3歳の子供が借金をしたとして、常識的な判断として、それを法的に有効として、責任を問い、社会的に経済清算を求めるべきだとは考えられませんよね。現実の法判断として、その借金は無効でしょう。
 
そしてその常識の根拠は何か? 実際には様々な可能性は考えられますが、今回の項目で議論しているのは、意思能力という考え方です。
 
つまり 3歳の子供は幼すぎて、若すぎて、自分自身の意思、行為に対する考えについて、正しく判断していないだろう、理解していないだろう、つまり、意思能力がないだろう、という考え方ですよね。
 
民法 第一編 総則 第二章 人 第二節 意思能力 第三条の二 法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。
 
常識的に幼児には意思能力を認めないだろうし、重度の酩酊者(めいていしゃ)は、ビールの注文の意思能力は認められても、不動産の売買などについては意思能力を認めない。(※参考文献: 有斐閣『民法総則』加藤雅信、第2版、76ページ)。(しかしこれ、面白い話ですよね。ビールの注文の意思能力は認めるのね(^^;;;))
 
売買や借金や各種の契約などのように、自分の意志によって権利や義務を発生させる行為のことを'''法律行為'''(ほうりつ こうい)という。
 
意思能力かったと考えられい人によ時点での法律行為の有効性否定され無効となり、また、その取引(とりひき)は、無効をなかったこ判断されにできる。
 
幼児や酩酊者などのような類型的な場合なら、意思能力のなかった事の証明は簡単であるが、しかし、それ以外の一般的な場合だと、意思能力の無かったことの証明が難しい場合も多い。
しかしこの項目の前文に書いたように能力なんて言葉はあやふやで、自分の有利な状況で生活している人間が、いくらでも能力の高い人間だと主張できるし、能力のあるなしの判断がいつでも明確なわけではない。
 
かといって、15歳くらいの未成年者や、精神障害者が、借金などの不利な契約をしてしまうと、その人の保護者は困る。
そこで意思能力の議論とは別に、経済的な契約に関する資格について、ある程度制限を加えたほうが妥当だと思われる状況を、明文化しておくのが法として正当だという事になるでしょう。
 
未成年者は、べつに酩酊のように意識がもうろうとしているわけではないし、幼児のように、自分の行為の意味をまったく理解してないわけではない。かといって、未成年者が、保護者の同意を得ずにおこなった借金を、法律で認めるわけにはいかない。
そこで行為能力という言葉が出てきます。
 
そこで法律では、未成年者が保護者の同意を得ずに行える行為を、制限している。
基本的にはこの能力を持っている人間、多くの市民がそうでしょうが、は、経済契約、法律行為を一人で行う資格を持っている、と、いう事になりますよね。
 
いっぽう、普通の成年の大人のように、契約などの法律行為が1人で行える資格のことを'''行為能力'''という。
ただ、これって、能力を持っている人間は高い資格を持っているという発想に基づいていますから、いまいちどうなの?って気も現編集者はしますが、でもまあここでそんなことを議論してもきりがないので、話を進めます。
 
してこで民法では、未成年を保護するため、未成年の行為能力制限している。そのため未成年は、親の同意が無ければ、高額な借金ができず、また、高額な売買の契約ができない。
 
また、この場合の未成年のように、行為能力が制限された人物のことを'''制限行為能力者'''という。
 
制限行為能力者になりうる対象は、未成年のほか、精神に障害をもっている者、などがある。
 
民法では、制限行為能力者を、未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人、の4つに分類しています
<!--
とりあえず書いてみましたが、どうも自分でもしっくりこない。もうちょっといい、正当な書き方があるような気がするけど、現時点では思いつかないなー。
-->
 
=== 制限行為能力者 ===
==== 未成年者 ====
'''未成年者'''とは、20歳未満の者である。(但し 2022/4/1施行の改正法で4) 18歳未満に引き下げられる)。
未成年者が法律行為をするには、原則として、'''法定代理人'''の同意が必要である。(民5)
 
未成年者の法定代理人とは、親権者(父母) (民818、819)、親権者がいない場合は未成年後見人である。(民839、841)
 
しかし、未成年でも、単に物を受け取もらったり、借金を免除してもらうなどの、未成年が単に利益・権利を得たり義務をまぬがれるだけの行為については、法定代理人の許可は不要である。(民5(1)
 
また、こづかい としてもらった範囲内の金額では、法定代理人の許可なく、店などで物を買うことが可能である。
また、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様に自由に扱うことができる。(民5(3))
 
未成年者でも営業ができるが、法定代理人の同意が必要である。法定代理人があらかじめ許可した営業については、未成年者は単独で営業をできる。(民6)
 
==== 被補助人、被保佐人、成年被後見人 ====
成年であっても、精神上の障害の重いなどの理由で、十分に正当な意思や判断財産保持でき管理する能力どが無と考えられる場合者について、保護のため、本人や家族などの請求により、家庭裁判所の審判によって、被保佐人、被補助人、成年被後見人などになりうる。そして、行為能力が制限される。
 
行為が大きく制限される障害の重い順に、成年被後見人、被保佐人、被補助人である。(※ 参考文献: 有斐閣『基本民法 I』大村敦志、第3版、平成23年、172ページ.) そして、障害の重いほど、行為能力が制限される程度が高まる。
 
===== 成年被後見人 =====
精神上の障害などにより、意思や判断の正当な状況能力保持できないと考えられる者欠く人を対象対して本人や家族など保護請求でために、家庭裁判所後見開始の審判をすることができる。そして後見開始、そ断能力受けた欠く者は'''成年被後見人'''となり、成年後見人その判断能力を欠く者は、行為能力制限される。(民7,8)7)
 
成年被後見人はそして他の被保佐人、被補助人と比べ行為能力が制限が大きく、された成年被後見人の行ったかわりに法律行為については、を行うための'''成年後見人の同意'''なくても、その行為の取り消しができ選任される。※参考文献: 有斐閣『法総則』加藤雅信、第2版、84ページ)8)
 
成年被後見人の場合は、他の被保佐人、被補助人の場合と比べ、成年被後見人では判断能力の障害重いため、成年被後見人の行った法律行為については、日用品成年被後見人購入同意がどの基本的な一定の行為を除い本人または成年後見人によの行て、た法律行為を取り消し可能る。※参考文献: 有斐閣『民法総則』加藤雅信、第2版、84ページ)
 
成年被後見人でも、日用品の購入などは単独で出来る。
しかし、日用品の購入などを除けば、本人または成年被後見人によって、すべて取り消し可能である。
 
また、預金の管理など、重要な財産の管理については、成年後見人が行う。(※ 参考文献: 東京法令出版『経済活動と法』(検定教科書)、長瀬二三男、17ページ)
 
<!-- 成年被後見人に選挙権が無かったのは 2013/6 まで。 -->
:(※ 範囲外: ) 成年被後見人には選挙権は無い。(公職選挙法、第1条 第1項)(※ 参考文献: 工藤達朗『よくわかる憲法』、ミネルヴァ書房、2012年1月20日 初版 第8刷 発行、123ページ)
:※ 中学校では、20歳以上の日本国民に選挙権が与えられると習うかもしれないし、中学生にそう教えるのは時間の都合などでヤムを得ないが、しかし正確には公職選挙法の内容はそうではなく、成年被後見人や、受刑者などには選挙権が無い。また、公職選挙法に違反した者にも当分のあいだ選挙権が無い。「選挙権の制限」と言ってもいいが、別の呼び名として、ある条件を満たした者への選挙権の制限のことを一般に「公民権の制限」ともいう。
 
 
===== 被保佐人 =====
保佐人の同意を得ないで行われた不動産の売買や借金の契約などは、被保佐人本人または保佐人の請求によって取り消すことができされる。(民13)
 
 
===== 被補助人 =====
補助人家庭裁判所であらかじめ審判された特定の行為(預金の管理・不動産の処分など被保佐人が同意必要とする行為の一部)について場合は、補助人の同意が必要である。(※ 参考文献: 東京法令出版『経済活動と法』(検定教科書)、長瀬二三男、17ページ)
 
=== 制限行為能力者と取引をした相手方の保護 ===
制限行為能力者と取引をした相手方は、1か月以上の期間を定めて、法定代理人・保佐人・補助人に対し、取引を認めるかどうかの確答をせよと'''催告'''(さいこく)することができる。
 
その期間内に確答しない場合、法律上は、制限行為能力者側がその取引を認めたことになる。(民20 (1)(2))
 
 
なお、制限行為能力者が相手方をだます手段を用いて('''詐術'''(さじゅつ))) )、自分は行為能力者であると偽った場合、保護されず、その取引を取り消すことができない。(民21)
 
=== 法定後見制度と任意後見制度 ===
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==== 任意後見制度 ====
まだ判断・意思能力の充分な人が、将来的に判断能力の不十分になることにそなえて、本人のかわりに財産管理や療養看護などの事務をおこなうための任意後見人を代理権を与えるという'''任意後見契約'''を結ぶという'''任意後見制度'''がある。
 
おもに高齢者を想定して、任意後見制度が導入された。(※参考文献: 有斐閣『民法 総則・物権』山野目章夫、201ページ)
 
たとえば、ある高齢者が任意後見制度を利用する場合、任意後見制度では、本人(つまり高齢者)の判断・意思能力が不十分になったら、任意後見人が、代理を行い始める。
 
また、任意後見人が不正などなく代理業務を行っている事を監視するための'''任意後見監督人'''が、家庭裁判所によって選任される。
 
任意後見人の選任は、家庭裁判所の選任'''ではない'''。家庭裁判所が選任するのは、任意後見監督人である。
 
「後見事項の登記に関する法律」によって、一定の事項が登記(とうき)される。(後見登記に関する法律 5条)