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このような事例があるので、なのでシナリオのバグの有無の確認では、(けっして脚本テキストデータの通読だけでなく、加えて)実際にゲームをプレイしてみて、ゲーム中のメッセージ文をプレイの順序どおりに読んでいくという方法により、テストプレイではバグの有無を確認していく必要があります。
 
 
{{コラム|RPGのシナリオは一本道|
岡田斗司夫の1997年『東大オタク学講座』に書かれている事例ですが、
RPGのシナリオは実はほぼ1本道であり、アニメの作り方と似ている部分もあると言われています。
 
岡田は、そういう RPGの作り方を、ルナ・シルバスターストーリーなどのシリーズを作っていたゲーム会社の人から聞いたと言います。
 
 
そして岡田は、大学の講義などで、「確かに市販のRPGのシナリオ構成はそうなっていて、途中で若干の分岐がある場合もあるが、おおむね一本道のストーリーですね」と講義で学生に言っています。
 
特に大学生から反論が出たとかそういう話は聞かないし文中にも書かれていないので、まあ、大学生もそう思っているのでしょう。
 
 
本wikiを読めばわかると思いますが、シナリオ選択肢の自由度に限らず、ゲーム中の自由度の高さはそのままデバッグやバランス調整などの手間を二次関数的に上昇させますので、
 
よって、ゲーム全体でシナリオのパターンを増やすなどして自由度を高めるのは、調整などの手間が上がります。(また、それとは別理由も考えられ、単純に古いゲームは容量不足の問題もあるので、なんでもかんでも機能を詰め込みできない。
 
フリーシナリオで有名なロマサガのシリーズですら、結局は最後に倒す敵は共通ですし、最後のほうに訪れる地域やダンジョンもおおむね共通です。
真・女神転生シリーズなども少なくともスーファミ版の時代は同様です。
 
 
実装の手間を無視した企画だけなら、自由度の高い作品の企画や、カスタム性の高い企画は、いくらでも出せます。しかし実際は、人件費などの制約が生じます。
 
ゲーム評論家の阿部弘樹も、この人はゲーム業界出身であり企画の仕事もしてたのですが、彼はゲーム会社時代の企画で「ファイナルファンタジーのようなファイナルファイト」を思いついたと言いますが、
企画当初は上司に絶賛されたものの、しかし企画を詰めていく段階でシナリオなどの実現性が困難として、仕方なく諦めざるを得なかったという体験談を、阿部の著書では述べています。
 
もちろん、アクションRPG自体は実現性あるジャンルであり、実際にファルコム社のイースのシリーズのようにファンタジーRPGをアクション化したものは存在します(阿部もイースに言及している)。
 
しかし、イースは操作キャラクターが1人(主人公アドルだけ)ですし、武器や防具の種類も少な目です(たとえばスーファミ版イース3では、武器は剣の5段階のみ。)
 
なのにもし、ファイファン(RPG)のようなファイナルファイト(格闘ゲーム)を作るとなると、
まず操作キャラクターの分だけ、
:イース一本(アドル一人分)のシナリオ量 × キャラクター量
のシナリオが単純計算で必要になります。
 
その上、ファイナルファンタジーのように多種類の武器や防具の種類を作るとなると、
そのぶんの調整も、膨大に増大します。調整以前の武器の設定などを考えるのも一苦労です。
 
単純計算で、武器の調整だけでも、 
:武器の種類分 × イース調整 
の手間になります。
 
しかも、これがファイナルファイト(格闘ゲーム)のようにコマンド入力の必殺技などを用意するわけですから、
かなり製作がキツイです。
 
阿部らの会社は、こういう制作作業の膨大さや調整などの手間に気づき、なくなく、「ファイナルファイトのようなファイナルファンタジー」案を諦めました。
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== チェックシートを作成する場合 ==