「高等学校数学II/微分・積分の考え」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Nermer314 (トーク | 投稿記録)
編集の要約なし
Nermer314 (トーク | 投稿記録)
編集の要約なし
266 行
</math>の右辺<math>F(x) + C</math>は、<math>F(x)</math>に定数を足した関数の全体を表している。つまり、<math>F(x) + C</math>は、<math>F(x)+1</math>や、<math>F(x)-23</math>や、<math>F(x)-5\pi</math>などの、<math>F(x)</math>に定数を足した関数すべてをまとめて<math>F(x)+C</math>と表している。このことがあやふやになっていると、'''重大な間違い'''を起こす可能性があるので、注意が必要である。
 
===== 例 =====
 
関数 <math>f(x)=x^n</math> (ただし <math>n</math> は自然数)の不定積分を求めてみる。やや天下り的だが、<math>F(x) = \frac{1}{n+1}x^{n+1}+C</math> (<math>C</math> は任意の定数)とおくと、 <math>F'(x) = x^n</math> となるので、 <math>\frac{1}{n+1}x^{n+1}+C</math> は原始関数であることがわかる。
 
したがって <math>\int x^n dx =\frac{1}{n+1}x^{n+1}+C </math>
 
 
簡単な場合について、関数の原始関数を求めてみる。
関数 <math>f(x),g(x)</math> の原始関数をそれぞれ、 <math>F(x),G(x)</math> とする。<math>a</math> を任意の実数定数とすると
<math>
 
f(x) = 1
<math>\{F(x)+G(x)\}'=F'(x)+G'(x)=f(x)+g(x)</math>
</math>
 
とすると、以前の結果から
<math>\{aF(x)\}' = aF'(x)=af(x)</math>
<math>
 
(x)' = 1
となるので
</math>
 
が成り立つことを考えると、
<math>\int \{ f(x) + g(x) \} dx = \int f(x) dx + \int g(x) dx ,</math> <math>\int af(x) dx = a \int f(x) dx</math>
<math>
 
f(x) = 1
が成り立つことを考えが分かと、
</math>
 
の原始関数F(x)は、
 
:<math>
'''演習問題'''
F(x) = x + C
 
</math>
不定積分 <math>\int (x^8+2x^2-6x+9)dx</math> を求めよ
となることがわかる。同様に
<math>
f(x) = x
</math>
では、
:<math>
F(x) = \frac 1 2 x^2 + C
</math>
となり、
<math>
f(x) = x^2
</math>
では、
:<math>
F(x) = \frac 1 3 x^3 + C
</math>
となる。
 
== 定積分 ==
321 ⟶ 307行目:
<math>\frac{1}{4}x^4+1</math>も、微分すると、<math>x^3</math>なので、<math>\frac{1}{4}x^4+1
</math>は<math>x^3</math>の原始関数の一つである。よって、<math>\int_2^5x^3dx = \left[\frac{1}{4}x^4+1\right]_2^5 = \left(\frac{1}{4}5^4 + 1\right) - \left(\frac{1}{4}2^4 + 1\right) = \frac{609}{4}</math>と求めることもできる。
 
*問題例
 
**問題
 
:<math>
x+1
</math>
:<math>
a\,x^2+b\,x+c
</math>
をそれぞれ積分せよ。
ただし、
<math>a</math>,<math>b</math>,<math>c</math>は任意の定数である。
 
**解答
 
それぞれ、
:<math>
{{x^2}\over{2}}+x+C
</math>
:<math>
{{a\,x^3}\over{3}}+{{b\,x^2}\over{2}}+c\,x + C
</math>
が得られる。これは、それぞれの答えの式を、xで微分すると元の式が得られることからわかる。一般に関数の和の積分はそれぞれの関数を積分したものを足し合わせたものと積分定数の範囲で一致する。詳しくは[[高等学校数学III/積分法|高等学校数学III 積分法]]を参照。
 
== 微分積分学の基本定理 ==
353 ⟶ 314行目:
:<math>\int_a^x f(t)\,dt=F(x)-F(a)</math>
この両辺をxで微分すると、<math>F(a)</math>は定数であるから
:<math>\frac{d}{dx} \int_a^x f(t)\,dt=\frac{d}{dx} F(x) = f(x)</math><!-- この微分積分学の基本定理は「積分した関数を微分すると元の関数に戻る」ということを主張している。つまり、微分と積分は逆の演算であるということである。そもそも我々は不定積分を「微分したら元の関数になる関数」と定義していたのであった。定義からこの定理が成り立つのは当然のように思え、基本定理なんて仰々しいが名前つけられることに疑問を感じる人もいるかも知れない。後述するが、積分は面積を求めることと密接な -->
:<math>\frac{d}{dx} \int_a^x f(t)\,dt=\frac{d}{dx} F(x) = f(x)</math>
 
{| style="border:2px solid pink;width:80%" cellspacing="0"