「学習方法/高校卒業後の社会科公民の勉強ガイド」の版間の差分

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→‎社会学: 社会学の問題点の出典サイトを追加。立教大学の計量社会学の科目説明。
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建前上は、社会学は統計などで実証をする学問となっていますが、しかし形骸化しており、しばしば大学の社会学の教育は、その教授の支持する政治運動を正当化する学問になっています。『学問の自由』があるため、このような学者の教育の私物化を排除できません。
 
出典をきちんと出します。
 
日本における大学での社会学の問題点を的確に表現したwebサイトが、立教大学の『計量社会学』の科目説明で的確に指摘されているので、紹介します<ref>[https://www2.rikkyo.ac.jp/web/murase/metsoc.html 『村瀬 計量社会学』] 2022年2月21日に閲覧して確認.</ref>。
 
※ 以下、引用。
<pre>
心理測定法という学問はあるが、社会測定法という学問は今のところない。そして、調査をしたが分析できない、ということでは研究として成立しない。
 
 社会の構造や社会的地位をどう測定するかは、重要な問題。多くの社会学は、測定や分析に失敗しているので、あやしげな質的調査や、直感での分析、構築主義などの解釈や印象批評に逃げてしまっている。構築主義などは一見おもしろそうに見えても、具体的な測定法や分析法を作ることができなかった学問である。これでは大規模な社会を的確に研究することはできない。多くの記述的社会調査(質的社会調査)は、データの偏りが大きく「木を見て森を見ず」の不適切な研究となる。
</pre>
 
※ 以上、引用。
 
もし、この立教大学のような人の考え方で、社会学の教科書が書かれて入れば、何の問題もありません。ですが、そうなっていない教科書が多く市販されています。
 
さて、社会学において、意図的に統計などをあまり使わずに、柔軟な解釈によって分析しようという「質的調査」という手法があります。これはこれで、問題探索の段階では意義がありますが、しかしあくまで探索の初期段階までです。いつまでも統計を無視するのは、断じて学問的な態度とは言えません。
 
この質的調査が悪用されており、特定の政治思想などに片寄って現実の統計をいつまでも無視したかのような学説が、残念ながら大学レベルの社会学の教科書に残り続けています。
 
先ほどの立教大の計量社会学の科目説明の続きを引用します。
 
※ 引用.
<pre>
なお質的調査も、問題探索の段階では意義がある。ただし、データが偏り社会の、ごくわずかな部分しか見ていないという点と、適切な分析法がないという点については、欠点を克服できていない。この2点について限界があり、これのみでは研究
の最後まで到達して、結論を書き、科学的な論文にすることはできないことは事実である。質的調査のみで、巨大な社会の全体像を把握することはできない。適切なデータがないからといって、いいかげんなデータをもとに研究してはいけない。計量分析ができないから質的研究に逃げる人が多いことも事実だが、そのような姿勢が正しいわけではない。
</pre>
※ 以上、引用。
 
社会学教育の現状を問題視して改革しようとしている人もいますが、しかし2021年の市販の大学レベルの社会学の教科書の書籍を何冊か確認したかぎりは、開学が追いついていません。
 
 
さて、社会学ではなく心理学の問題ですが[[w:再現性の危機]]といって、大学レベルの心理学の教科書などに書かれている基礎的な理論・「法則」などの類が、じつは満足に統計的に追試されていないかもしれないという問題が近年明らかになっており、近年に追試実験をしてみると「法則」の再現性があまり良くなかったりして、主に心理学の分野で大問題になっています。
 
どうも心理学では、今までまともな追試をせず、あるいは追試によって反証があっても無視したりして、学会やマスコミなどの流行ばかりに基づいて、満足に追試実験をしないで来てしまった分野もあるようです。
 
ただし、こういう問題点が明らかになるという事は、裏を返すと心理学では改革が進んでいるという事でもあります。
 
まともに議論されていない、社会学における再現性の危機こそが、本当の危機です。
 
=== 本章のまとめ ===