「学習方法/高校卒業後の社会科公民の勉強ガイド」の版間の差分

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マルクス以降の時代に作られたケインズ経済学を用いて、マルクスの著作が説明していることを分析することは、すでに置塩信雄という経済学者が20世紀に終えています<ref>[https://www.jstage.jst.go.jp/article/peq/50/4/50_KJ00009324926/_pdf/-char/ja 『置塩経済学と森嶋経済学』]</ref>。
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=== 経済学 ===
高校までの公民で習った経済よりもはるかに踏み込んだ内容となります。そして、'''「文系の中の理系」とよばれるくらい、数学を使います'''。高校の私立文系コースだと、数学はほとんど学ばなくても済む場合がありますが、その場合は入ってからかなり苦労します。
 
 
経済学で研究する経済は、現代の資本主義経済が中心であり、派生的に経済史や資本主義以外の経済現象を研究します。
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だから、「マルクスの本に何が書いてあった」とか、そういうのを覚えたりするのは、少なくとも経済学の基礎理論の勉強ではありません。経済関連の文献学や経済学史の研究をするなら、どの本に何が書いてあったかの出典をつけることは必要ですが、文献に何が書いてあるとか、誰が提唱したかとか、そういうのは経済学では基礎理論ではありません。「社会主義経済学」を、けっして経済学の基礎理論の一つだと勘違いしてはなりません。「社会主義経済学」は、よくて経済学史のようなものです。名前に騙されてはいけません。
 
マルクスの著作などから有用なものを取り出す作業は、すでに20世紀に資本主義経済の経済学者の森嶋道夫やサムエルソンなどによって、とっくに行われており<ref>小室直樹、『小室直樹の経済原論』(復刊本)、東洋経済新報社、2015年6月11日発行(原著は1997年の刊行)、P527</ref>、現代では資本主義経済の研究に反映されていますので、わざわざ体系化されていないマルクス経済学を学ぶ意義はうすいでしょう。
 
また、マルクス以降の時代に作られたケインズ経済学を用いて、マルクスの著作が説明していることを分析することは、すでに置塩信雄という経済学者が20世紀に終えています<ref>[https://www.jstage.jst.go.jp/article/peq/50/4/50_KJ00009324926/_pdf/-char/ja 『置塩経済学と森嶋経済学』]</ref>。
 
本来なら森嶋やサムエルソンや置塩などの研究こそが「社会主義経済学」として語られるのが理想的かもしれませんが、しかし実際はそうではなく、経済学とは名ばかりの、「マルクスが何を言ったか?」といったような歴史学や文献学のような内容であるのが実態です。
 
 
=== 経営学 ===