「高等学校化学II/イオン交換樹脂」の版間の差分

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ボイラー水について、「純水化」ではなく「硬水(こうすい)成分を除去」に変更。 ついでに冒頭の食塩製造の話をコラム化。検定教科書でもコラム的に紹介されてるし。
Nermer314 (トーク | 投稿記録)
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== 「イオン交換樹脂」とは ==
純水の製造や、溶液中の成分の濃縮に、'''イオン交換樹脂'''(ion-exchange resin)が用いられている。イオン交換樹脂とは、溶液中のイオンを、べつのイオンに交換する樹脂である。
 
純水の製造には、海水の淡水化(塩水から、真水(まみず)にすること。)や、他には工業用の純水化がある(※ 範囲外: たとえばボイラーに使う水からカルシウムなど硬水(こうすい)成分を除去するのに、イオン交換樹脂が使われている。 参考文献: 工業高校用の教科書『工業材料』平成16年発行版)。(※ 硬水については『[[高等学校化学I/金属元素の単体と化合物/2族元素/Be・Mgとアルカリ土類金属]]』を参照せよ。)
 
 
 
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== 陽イオン交換樹脂 ==
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File:Styrene illust for highschool.svg|スチレン
File:P-divinylbenzene illust for highschool.svg|Pジビニルベンゼン
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使用済みの陰イオン交換樹脂は、水酸化ナトリウム溶液などの強塩基を通すことで、イオン交換が再生する。
:
 
 
== 水酸化ナトリウムの製造 ==
:※ 教科書の範囲内。数研出版や東京書籍や実教出版の教科書に記述あり。
 
工業的に水酸化ナトリウムの作る際に、イオン交換膜をもちいて設備で、食塩水を電気分解する方法が利用されている。
 
[[File:イオン交換膜法によるNaOHの製造法.svg|thumb|500px|イオン交換膜法によるNaOHの製造法]]
 
図のように陽イオン交換膜による隔壁でへだてて片方に陽極、もう片方に陰極の電極を配置する。
そして、陽極側にNaCl水溶液を入れる。電圧をなにも加えて無い状体では、NaイオンとClイオンに分離している。
 
そして電圧を加えると、Clイオンが陽極のプラス電荷を受け取って塩素ガスになり気体となって排出される。いっぽうで、Naイオンはそのまま水溶液中にとどまるので、陽極側にある水溶液中のNaイオン濃度が高くなる。
 
またイオン交換膜を通過できるのはNaイオンだけなので、隔壁の反対側の水には、溶質にはNaイオンだけが存在することになる(※ 説明の単純化のため、空気中の不純物などは無視する)。Naイオンは陰極側でマイナス電荷を受け取り、その結果、NaOHと水素を発生する。水素は排出する。
 
よって、隔壁の反対側がNaOH水溶液になる。
 
 
:※ なお「アンモニアソーダ法」は炭酸水素ナトリウムの製法である。混同しないように。
 
== ※ 範囲外: 応用について ==