「高校化学 天然高分子化合物」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Nermer314 (トーク | 投稿記録)
M Nermer314 がページ「高等学校化学II/糖類とタンパク質」を「高校化学 天然高分子化合物」に移動しました: 現行課程に対応したタイトルに変更
Nermer314 (トーク | 投稿記録)
編集の要約なし
27 行
[[File:Beta-D-Glucopyranose.svg|thumb|150px|center|βグルコース]]
 
グルコースのようなアルデヒド基をもつ糖を'''アルドース'''(aldose)という。(アルドまた、ケトン基をもつ糖を'''ケトースも高校の範囲内。第一学習社の教科書に記述あり'''という
 
{{clear}}
41 行
フルクトースにはアルデヒド基は無いが、フルクトースの鎖式中にはケトン基が含まれ、このフルクトースのケトン基は還元性を示すので、フェーリング液を還元する能力を示す。
 
なお、フルクトースのようは、果実ケトン基をもつ糖を'''ケトース'''どに含まれるこが多
 
なお、フルクトースを含む作物は、果実などに含まれることが多い。
 
[[ファイル:Beta-D-Fructopyranose.svg|thumb|150px|left|六員環のβフルクトース]]
290 ⟶ 288行目:
R-CH(NH<sub>3</sub><sup>+</sup>)-COO<sup>-</sup>
 
の構造になる。このように分子内に酸性と塩基性の両方のイオンを生じるので、'''双性イオン'''(そうせいイオン、zwitterion)とよばれる。
このようにイオンがあるため、アミノ酸は水に溶けやすく、また、有機溶媒には溶けにくい。双性イオンの陽イオンと陰イオンどうしがクーロン力で引き合うため、アミノ酸はイオン結晶に近い結晶構造を取り、また、ほかの有機化合物と比べるとアミノ酸は比較的に融点や沸点が高い。
 
298 ⟶ 296行目:
 
==== 等電点 ====
アミノ酸分子中の正負の電荷が等しくなっているときのpHを'''等電点'''(とうでんてん、isoelectric(isoelectric point)という。側鎖がイオン化する場合は、その電荷も含む。
 
等電点を測定するには、水溶液に電圧を加ればよい。等電点よりPHが小さい(酸性)水溶液中では、アミノ酸は陽イオンになっているため、陰極側に移動する。いっぽう、等電点よりpHが大きい(塩基性)と、アミノ酸は陰イオンになってるため、陽極側に移動する。
364 ⟶ 362行目:
タンパク質は、ポリペプチドである。
 
ペプチド化合物で縮合に使われなかったアミノ基が末端に残るが、このペプチド化合物の縮合に使われなかった末端のアミノ基を'''N末端'''という。同様に、カルボキシル基も末端に残るが、これを'''C末端'''という。ペプチドの構造式を書くときは、N末端を左側に、C末端を右に配置して書くのが慣行である
 
なおジペプチドなどペプチド化合物の構造式を書くときは、縮合に使われなかったN末端のアミノ基を左に配置して、C末端のカルボキシル基を右に配置して書く。
 
 
451 ⟶ 448行目:
==== タンパク質の特徴 ====
* タンパク質の変性
タンパク質を加したり、酸塩基を加えたりすると凝固する。タンパク質に重金属(Cu<sup>2+</sup>、Hg<sup>2+</sup>、Pb<sup>2+</sup> など)を加えたりイオン、有機溶媒(アルコールなどを加えたりしてもると凝固するし生理的機能を失う。これをタンパク質の'''変性'''(へんせい、denaturation)(denaturation)という。加熱によって変性することを熱変性という場合もある。
 
タンパク質の変性は、二次構造〜4次構造が破壊されることによって、起きている。そのため、ゆで卵などのように、いったん変性したタンパク質は、元には戻らないのが普通である。タンパク質の変性では一次構造の配列順序は変わっていないが、二次構造以上の構造が変わっている。
 
* 溶液
515 ⟶ 512行目:
 
== 酵素 ==
ある種のタンパク質には触媒の働きを持つものがある。この触媒として機能するタンパク質を'''酵素'''(こうそ、enzyme)(enzyme)という。酵素は、無機触媒や金属触媒とは、ことなる性質をもつ。酵素は、ある特定の物質にしか作用しない。これを'''基質特異性'''(きしつとくいせい、substrate(substrate specificity)という。そして酵素が作用する物質および分子構造を'''基質'''(きしつ、substrate)(substrate)という。
 
酵素には、基質と立体的にむすびつく'''活性部位'''(かっせいぶい、active(active site)があるため、このような反応が起こる。活性部位のことを、'''活性中心'''(かっせいちゅうしん、active(active center)ともいう。
[[File:酵素基質複合体 模式図.svg|thumb|600px|center|酵素基質複合体の模式図]]
たとえば、だ液にふくまれるアミラーぜはデンプンを加水分解するが、タンパク質を加水分解できない。酵素インペルターゼはスクロースの加水分解にしか作用せず、マルトースやラクトースなどの他の二糖類にはインペルターゼは作用しない。また、マルターゼは、マルトースにしか作用しない。
 
=== 失活 ===
また、酵素はタンパク質であるので、タンパク質が変性する状況では、酵素はその能力を失う。熱変性などで、タンパク質が修復不可能になると、酵素の触媒能力もまた修復不可能となり、酵素を冷却しても、もはや触媒として機能しなくなる。このように酵素が触媒としての能力を失って、もはや酵素ではなくなったことを'''失活'''(しっかつ、deactivation)(deactivation)という。
 
=== 最適温度 ===
酵素の触媒作用が最も働く温度があり、を'''最適温度'''という。酵素にもよるが、一般に、それは動物の体温にちかい、35℃から40℃といった温度である。
 
50℃以上など、これらより高温では熱変性で酵素の構造が破壊される。最適温度より低温にした場合は、低温の間は酵素としての作用が弱まるが、適温に戻すと、再び酵素としての触媒能力を取り戻す。
533 ⟶ 530行目:
=== 最適pH ===
[[File:酵素と最適pH.svg|thumb|300px|酵素と最適pH]]
酵素には、その場所のpHによって、触媒の働きの反応速度が変わる。もっとも酵素が働くpHを'''最適pH'''(さいてきペーハー、optimum(optimum pH)という。
 
最適pHの値の傾向は、酵素の種類にもよるが、おおむねpH=6~8pH6~8といった、中性付近か、弱酸性の付近で、もっともよく働く。たとえばアミラーゼはpH=6~7pH6~7の付近が最適pHである。すい臓の中で働く酵素のトリプシンはpH=8pH8の弱い塩基性が最適pHである。
 
なお、胃酸の中で働く酵素の'''ペプシン'''は最適pHがpH=2pH2の付近の強い酸性である。このpH=2pH2は、胃液のpHに近い。このように、酵素は、その酵素が働く環境下に近いpHで、よく働く性質になっている場合が多い。
 
== 核酸 ==