「小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代」の版間の差分

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;<span id="国際社会"/>国際社会での地位の向上
: 1912年(明治45年・大正元年)大正天皇が即位し、元号が「'''大正'''」となりました。
: 1914年(大正3年)にヨーロッパの国々を二分した'''[[#全世界を巻き込む戦争 - 第一次世界大戦|第一次世界大戦]]'''が始まりました<ref>第一次世界大戦については[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで|次の章]]で詳しく説明します。</ref>。日本は、イギリスやフランスの属する[[#協商国|協商国]]に参加し、敵対する[[#同盟国|同盟国]]の一つであるドイツが租借する中国の{{ruby|青島|チンタオ}}<ref name="中国地名"/>や南太平洋の島々を占領しました。1919年戦争は協商国の勝利に終わり、翌年、平和を維持するための'''[[#国際連盟|国際連盟]]'''が設立、日本は英仏などとともに常任理事国の一つとなりました。
: 第一次世界大戦は、今までに見られなかったほどの大規模な戦争で、戦場が全国土に広がり多くの工場設備なども失われ、工業生産が止まってしまったりしました。しかし、主な戦場はヨーロッパで、日本への被害はほとんどなかったため、日本は、ヨーロッパの工業生産に代わって、綿糸や綿布といった繊維製品や化学肥料など、さまざまな工業製品を輸出しました。また、日本へのヨーロッパからの輸入が止まったため、それにかわる重工業などが起こるきっかけにもなり、国際取引においても機械など高度な工業製品を輸出できる国となりました。第一次世界大戦の影響で日本の経済は急速に成長しました。
;明治後期から大正にかけての人々の生活や文化と学問
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==== 初めての『世界大戦』 ====
:バルカン半島中西部のボスニア・ヘルツェゴビナは、長い間、オスマン帝国の領土で、住民もイスラム教に改宗した人々(ボスニア人)が多い地域でしたが、19世紀後半以降オーストリア帝国が支配する領域となっていました。
:1914年6月28日、オーストリア皇太子がボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボを訪問した際、隣国セルビア王国のボスニア系の独立運動家に暗殺されました('''サラエボ事件''')。これが、きっかけとなって、7月28日オーストリア帝国はセルビア王国に宣戦布告し、セルビアを支援するロシアも参戦、これを受けてオーストリアと同盟を組むドイツが参戦、そして、ドイツと敵対するフランスとイギリスが参戦し全ヨーロッパにおける戦争『'''第一次世界大戦'''<ref>これから、25年後、次の世界中を巻き込んだ大きな戦争が起こり、それを『'''第二次'''世界大戦』と呼ぶため、この戦争を『'''第一次'''世界大戦』とよびます。この当時は、『世界戦争』・『大戦争』と呼んでいました。</ref>』が始まりました。なお、以下、ドイツ・オーストリア側を「<span id="同盟国"/>'''同盟国'''<ref name="イタリア"/>」、イギリス・フランス・ロシア側を「<span id="協商国"/>'''協商国'''」と言うこととします。
:第一次世界大戦はそれまでの戦争とことなって『'''国家総力戦'''(または、'''総力戦''')』と言われます。それまでの戦争は、あくまでも軍隊と軍隊の戦いで、軍事拠点をめぐっての争いや、双方の主力部隊がある戦場で戦う(会戦)もので成り立っていて、そのような場所以外が戦火の被害を受けることは少なく、また、軍人以外で戦争で死傷する人は限られていました。しかし、第一次世界大戦になると、戦争は軍人以外の国民も巻き込んだものとなります。兵士は国民の中から徴兵されたものですし、銃砲や砲弾・銃弾、それに用いる火薬といった兵器の製造力も国内の工業力に支えられます。兵器だけではなく、軍服や戦場に持ち込む食糧もそうです。また、兵器やその他の物資を輸入に頼るにしても、その資金は国内の工場の生産物を輸出することで得られるものです。そのため、敵対する国は、相手の軍隊を攻撃するだけではなく、相手の国の生産力を下げるため、戦闘の機会に工場や輸送に用いる鉄道・港湾・船舶を破壊するようになります。さらに、相手が戦争を継続する力を落とすために、軍隊どうしの戦場ではないところの住宅等も破壊するようになりました。総力戦になって、軍人以外の民間人の死傷者や家屋などの財産の破壊が、それ以前と比べられないほどに増大しました。
:戦争は、ヨーロッパだけでなく世界中を巻き込みました。1914年11月ロシアと対抗し、イギリスに脅威を感じていたオスマン帝国は同盟国として参戦しました。こうして戦争は北アフリカなどにも広がりました。
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:#敗戦国の軍備は数年間制限する。
:などが決められました。
:また、このような戦争が2度と起こらないようにと米国大統領ウッドロウ・ウィルソンが提唱し、常設の国際的な協議機関「<span id="国際連盟"/>'''{{ruby|国際連盟|こくさいれんめい}}'''」が誕生します。国際連盟の運用は理事会が行いますが、日本は理事会の常任理事国にイギリス、フランス、イタリアと共に選ばれました。しかし、これを提唱した米国は、[[#モンロー主義|従来の国の方針]]から国内の反対があって国際連盟に加盟しませんでした。
;第一次世界大戦がもたらしたもの
:第一次世界大戦は、人類の歴史が始まって以来の大量の戦死者や戦傷者を出し、当時最も発展していたヨーロッパの国土が荒廃するなど、世界に大きな影響を与えました。その結果として以下のような変化が生じました。