「高校化学 酸素を含む脂肪族化合物」の版間の差分

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[[File:Breakfast - bread, margarine and honey.jpg|thumb|硬化油の例 - マーガリン]]
 
不飽和脂肪酸の炭素間二重結合では、『[[高等学校化学I/炭化水素#アルケン|アルケン]]』と同様に付加反応が起こる。油脂を構成する不飽和脂肪酸に、ニッケル Ni を触媒として用いて水素を付加させると、融点が高くなるため、常温では固体の油脂へと変化する。このようにして脂肪油から生じた固体の油脂を'''硬化油'''(こうかゆ、hardened oil)という。植物油をもととする硬化油はマーガリンなどに用いられる。硬化により飽和脂肪酸とすることには、長期間の保存の間に空気中の酸素が不飽和結合に付加して酸化されることを防ぐ役割もある。
 
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セッケンは水の表面張力を低下させる。
 
 
なお、マヨネーズに含まれる、卵黄のレシチンも、乳化剤である。
 
== 硬水との関係 ==
セッケンがカルシウムイオンCa<sup>+</sup>やマグネシウムイオンMg<sup>+</sup>などの溶けた硬水と混じると、水に溶けにくい塩 (R-COO)<sub>2</sub>Ca などが生じるので、セッケンの泡立ちが悪くなる。
 
 
== セッケン ==
油脂は脂肪酸とグリセリンのエステルであった。したがって、油脂に水酸化ナトリウム水溶液を加え加熱すると'''けん化'''して、高級脂肪酸のナトリウム塩とグリセリンを生じる。この高級脂肪酸の塩を'''セッケン'''という。脂肪酸は弱酸であり、水酸化ナトリウムは強塩基であるから、これらの塩であるセッケンの水溶液は弱塩基性を示す。
 
[[File:セッケンの反応式.svg|800px|]]<br />
 
セッケン分子は、水に溶けにくく油となじみやすい'''疎水性'''の炭化水素基と、水に溶けやすい'''親水性'''のイオン基からなる。このように、親水基と疎水基を両方持つ物質を'''界面活性剤'''あるいは乳化剤という
:[[File:セッケン分子の構造.svg|400px|セッケン分子の構造]]
 
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この乳化作用により、油汚れを洗浄することができる。
 
なお、マヨネーズに含まれの油と水をくっつける、卵黄のレシチンも乳化剤である。
また、セッケンのように、水と油の界面に配列する物質を'''界面活性剤'''(かいめんかっせいざい)あるいは乳化剤(にゅうかざい)という。
 
なお、一般に、水と油の界面に配列する物質が、食べられない物質の場合に界面活性剤という場合が多い。いっぽう、食品などからつくった場合などで、食べられる場合には乳化剤という場合が多い。明確には決まっていない(検定教科書でも、とくに決められてはいない)。
食品でも、マヨネーズの油と水をくっつける、卵黄のレシチンも乳化剤である。
 
なお、一般に、水と油の界面に配列する物質が、食べられない物質の場合に「界面活性剤」という場合が多い。いっぽう、食品などからつくった場合などで、食べられる場合には「乳化剤」という場合が多い。明確には決まっていない(検定教科書でも、とくに決められてはいない)。
 
== 硬水との関係 ==
セッケンがカルシウムイオンCa<sup>+</sup>やマグネシウムイオンMg<sup>+</sup>などの溶けた硬水と混じると、水に溶けにくい塩 (R-COO)<sub>2</sub>Ca などが生じるので、セッケンの泡立ちが悪くなる。
== 界面活性剤の分類 ==
 
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== 合成洗剤 ==
しかし、セッケン分子はカルシウムイオン <chem>Ca^2+</chem>マグネシウムイオン <chem>Mg^2+</chem>と反応して水に溶けにくい塩を生じる。そのため、イオンを多く含む硬水や海水中では洗浄力が落ちる。
 
このようなセッケンの短所を改良したアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム R-C{{sub|6}}H{{sub|4}}-SO{{sub|3}}{{sup|-}}Na{{sup|+}}(略称:ABS)やアルキル酸ナトリウム R-SO{{sub|3}}{{sup|-}}Na{{sup|+}} (略称:AS)は、高級アルコールや石油などから人工的に合成される。