「小学校社会/6学年/歴史編/歴史の始まり」の版間の差分

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:この時代のことを知るには、出土品などから考古学の方法によるか、中国などに残る歴史書にたよるしかありません。
:<span id="神話"/>しかし、文字のない時代にあっても、人々は、いろいろなできごとを、物語にして語り伝えてきました。これを、「{{ruby|口伝|くでん}}」といいます。人が記憶によって伝えるのですから、語り伝えている間に、正しく伝わらなかったり、伝える人に都合よくかえられたり、また、よくわからないことについては、神秘的なできごと、つまり、{{ruby|神|かみ}}さまのやったことにしてしまうなど、正確なものとはいえませんが、元々のできごとを想像させたり、それを語りついだ人々の考えを知ったりすることができます。このようにして、語り伝えられた物語を{{ruby|神話|しんわ}}といいます。
:日本においても、神話は語りつがれていました。8世紀になって、日本人が漢字を自由に使いこなし、紙なども大量に入手できるようになると、日本の歴史をまとめることをはじめます<ref>[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#奈良時代|次の章の「奈良時代」]]で詳しく説明します。</ref>。この時に、日本神話を多く書き残しました。[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#記紀|特に、大和朝廷の成立に関係する神話については『{{ruby|古事記|こじき}}』・『{{ruby|日本書紀|にほんしょき}}』という書物にまとめます]]。この二つの書物の名をとって、これらの神話を、{{ruby|記紀|きき}}神話と言います。以下に簡単に紹介します。すでにいくつか知っている話もあるかもしれません。'''[[/「くにづくり」についての日本神話|別のページ]]'''では、もう少し詳しく解説します。
:ただし、神話はあくまでも物語です。これを読む時に歴史的事実とごちゃごちゃにならないよう注意しましょう<ref>たとえば、ここに紹介する神武天皇の話は『古事記』によると、約2700年前の話になるのですが、そのころに、鉄などの高度な文明があったことは、考古学上発見されていません。</ref>。
:;[[/「くにづくり」についての日本神話#1|国産み・神産み神話]]
::男神イザナギと女神イザナミは結婚して、日本の国土の島々を産み、また、さまざまな物事に関するたくさんの神々を産みました。
:;[[/「くにづくり」についての日本神話#2|{{ruby|高天原|たかまがはら}}神話]]
::イザナギの子である太陽の女神アマテラスは、神々の土地である{{ruby|高天原|たかまがはら}}をおさめますが、弟の男神スサノオが暴れるので、{{ruby|天岩戸|あまのいわと}}と言われるほらあなにかくれてしまいます。太陽の神がかくれたので、世の中は真っ暗やみになります。困った神々は策略をめぐらしアマテラスを天岩戸からひっぱりだして、元の平穏な世界にもどります(天岩戸伝説)。スサノオは高天原を追放されます。
:;[[/「くにづくり」についての日本神話#3|{{ruby|出雲|いずも}}神話]]
::高天原を追放されたスサノオは、出雲(現在の島根県)に向かいます。出雲で、人々を困らせる大蛇の化物ヤマタノオロチの話を聞き、これを退治し出雲に住んでここを治めます(ヤマタノオロチ伝説)
::出雲の神さまであるオオクニヌシは、兄弟の神々からいじめられていましたが、海岸でひどい目にあっているシロウサギを助けるなど優しい心の持ち主であったので({{ruby|因幡|いなば}}の白兎伝説)、多くの人々に受け入れられ、やがて、スサノオをついで出雲を治め、日本全国をおさめることになります。オオクニヌシの国は、オオクニヌシを厚くまつることを条件にアマテラスからの使者にアマテラスの子孫にゆずることを約束させられます(国譲り神話、出雲大社由来)。
:;[[/「くにづくり」についての日本神話#4|{{ruby|天孫降臨|てんそんこうりん}}神話・{{ruby|日向|ひゅうが}}神話・{{ruby|神武東遷|じんむとうせん}}神話]]
::アマテラスは孫のニニギに日本を治めさせることとし、ニニギは天上の高天原から日向(現在の宮崎県)の{{ruby|高千穂|たかちほ}}におります({{ruby|天孫降臨|てんそんこうりん}}神話)。
::ニニギの子のホオリ({{ruby|山幸彦|やまさちひこ}})は、兄のホスセリ({{ruby|海幸彦|うみさちひこ}})と対立しましたが、ホオリがホスセリをしたがえました(海幸山幸伝説)。
::ホオリの孫であるイワレヒコは、日向から船出し瀬戸内海沿岸の国々をしたがえ、大和を征服し、初代天皇である「神武天皇」となりました({{ruby|神武東遷|じんむとうせん}})。
:;[[/「くにづくり」についての日本神話#5|ヤマトタケル神話]]
::景行天皇の皇子であるヤマトタケルは、西に九州の{{ruby|熊襲|くまそ}}を平定したのち、東国に向かい、各地を平定しました。