「高校化学 酸素を含む脂肪族化合物」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Nermer314 (トーク | 投稿記録)
Nermer314 (トーク | 投稿記録)
編集の要約なし
2 行
 
== アルコール ==
炭化水素の水素をヒドロキシ基 -OHで置換した構造の化合物を'''アルコール'''(alcohol)という。メタノールやエタノールなどは、ヒドロキシ基 -OH をもっているので、アルコールである
 
右表に主なアルコールを示す。
 
{|border=1 cellspacing=0 align=right text-align=center style="text-align:center"
16 ⟶ 14行目:
 
アルコールは分子中のヒドロキシ基の個数や結合の仕方による、いくつかの分類がある。
; 価数 : アルコール分子中のヒドロキシ基の個数を'''価数'''という。
分子中にヒドロキシ基が1個のものを1価アルコールという。分子中にヒドロキシ基が2個のものを2価アルコールという。
メタノールもエタノールも、一価アルコールである。2価以上のものを多価アルコールという。
 
アルコール分子中ヒドロキシ基が1のもの1'''アルコール数'''という。分子中ヒドロキシ基が1個のものを1価アルコール、2個のものを2価アルコールなどという。2価以上のものを多価アルコールという。
{|border=1 cellspacing=0 align=center text-align=center style="text-align:center"
|- style="background:silver"
32 ⟶ 28行目:
|}
 
; 級数 : アルコール分子中の、ヒドロキシ基に結合している炭素原子に結合している炭素原子の個数による分類あり以下1または0個もようにを'''第一級アルコール'''2個のものを'''第二級アルコール'''3個のものを'''第三級に分類されるアルコール'''という
 
OH基のついた炭素に他の炭素が1つ結合している場合を'''第一級アルコール'''という。
 
同様に、OH基のついた炭素に他の炭素が2つ結合している場合を'''第二級アルコール'''という。
 
同様に、OH基のついた炭素に他の炭素が3つ結合している場合を'''第三級アルコール'''という。
 
 
 
二クロム酸カリウム水溶液などの酸化剤により第一級アルコールと第二級アルコールは酸化され、それぞれアルデヒドおよびケトンを生じる。
 
{|border=1 cellspacing=0 align=center text-align=center style="text-align:center"
55 ⟶ 41行目:
|}
 
二クロム酸カリウム水溶液などの酸化剤によりで、第一級アルコールと第二級アルコール酸化されすると、それぞれアルデヒドおよびケトンを生じ、アルデヒドをさらに酸化すとカルボン酸になる。第三級アルコールは酸化されにくい
 
 
=== アルコールの性質 ===
63 ⟶ 49行目:
また、アルコールは水に溶けても電離しないため中性である。
 
==== 融点沸点 ====
アルコールのOH基によって、水素結合が形成されるため、分子量が同程度の炭化水素と比べて、沸点や融点が高い。
 
71 ⟶ 57行目:
アルコールに金属ナトリウムNaを加えると、水素が発生し、ナトリウムアルコキシド R-ONa を生じる。
 
* <chem>2R-OH + 2Na -> 2R-ONa + H2 ^</chem>
:* <chem>2C2H5OH + 2Na -> 2C2H5ONa + H2 ^</chem>(エタノールの場合)
 
例えばエタノールにナトリウムを反応させると、水素を発生しながらナトリウムエトキシド(C{{sub|2}}H{{sub|5}}ONa)を生じる。
: <chem>2C2H5OH + 2Na -> 2C2H5ONa + H2 ^</chem>
炭素数が多いほどナトリウムと穏やかに反応するようになる。この反応は有機化合物中のヒドロキシ基の有無を調べる一つの方法である。
 
ナトリウムアルコキシド(R-ONa)に水を加えると、加水分解して水酸化ナトリウムを生じるため塩基性を示す。
: <chem>R-ONa + H{{sub|2}}OH2O &rarr;-> R-OH + NaOH</chem>
 
==== 酸化反応 ====
96 ⟶ 81行目:
具体的には、エタノールと濃硫酸とを混合し、約170℃に加熱するとエチレンを生じる。約130℃で加熱すると、分子間脱水が優先してジエチルエーテルを生じる。
 
なお、このジエチルエーテルの生成のように、2つの分子間から水などの小さな分子がとれて1つの分子になることを、縮合(しゅくごう、condensation)(condensation)という。
 
=== メタノール ===
116 ⟶ 101行目:
 
=== エタノール ===
'''エタノール'''(C{{sub|2}}H{{sub|5}}OH)は無色透明の液体のアルコールである。エチルアルコールとも呼ばれる。アルコール飲料(酒)に含まれている。糖やデンプンなどの発酵により、エタノールが得られる。
:発酵: C{{sub|6}}H{{sub|12}}O{{sub|6}} &rarr; 2C{{sub|2}}H{{sub|5}}OH + 2CO{{sub|2}}
工業的にはエチレンに水分子を付加することにより合成される。
122 ⟶ 107行目:
 
 
濃硫酸には脱水作用があるため、エタノールと濃硫酸とを混合して加熱すると脱水反応がおこる。しかし、温度により異なった脱水反応がおこり、異なる物質が生成する。130℃程度で反応させるとエタノール2分子から水が取り除かれてジエチルエーテルを生じる。このように2分子から簡単な分子が取り除かれて結合し1つの分子となることを'''縮合'''(しゅくごう、condensation)という
: 2C{{sub|2}}H{{sub|5}}OH &rarr; C{{sub|2}}H{{sub|5}}-O-C{{sub|2}}H{{sub|5}} + H{{sub|2}}O
一方、160℃程度で反応させるとエタノール1分子の中で水が取り除かれ、エチレンを生じる。