「高校化学 合成高分子化合物」の版間の差分

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ある高分子化合物について、その高分子化合物の分子量を平均したものを'''平均分子量'''(へいきん ぶんしりょう、mean molcular weight)という。
 
高分子の分子量の測定は、溶液の浸透圧や粘土を測定することで分子量を求められる。浸透圧凝固点降下や沸点上昇求め利用すには、いわゆる浸透圧法で液中の高さうまく分子量普通に測定す求めらばよい。{{-}}[[File:高分子の非晶質と結晶.svg|thumb|300px|left|高分子の非晶質と結晶]]
 
なお、凝固点降下法や沸点上昇法では、分子量が大きすぎるために濃度が小さくなるためだろうか、凝固点や沸点が変化せず、よって分子量を求められない。
 
しかし、浸透圧法では液中の高さが変化するという実験事実があり(分子量が大きくて濃度が小さくなるにもかかわらず)、よって浸透圧法で高分子化合物の平均分子量を求められる。
 
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[[File:高分子の非晶質と結晶.svg|thumb|300px|left|高分子の非晶質と結晶]]
 
高分子化合物の固体には、結晶構造の部分と非結晶構造の部分とが混ざっているが、大部分は非結晶部分である。
 
結晶構造の部分が多いと強度が高くなり、硬くなり、また、透明度が増す。
非結晶の部分が多いと、やわらかくなり、不透明になる。
 
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高分子化合物を熱していくと、明確な融点が分からないまま、だんだん軟化していき、しだいに液体になっていく。このように、高分子化合物において、軟化しはじめる温度を'''軟化点'''(なんかてん、softening(softening point)という。
 
高分子化合物が一定の融点をもたない理由として、非晶質の部分がわりあい多かったり、あるいは、一定の分子量をもたず分子量が分布している事などが理由であるというのが定説である。(※ 数研出版のチャート式化学などでも、このような見解。なお検定教科書では、どちらか一方のみを紹介してたりする。)
 
高分子化合物が一定の融点をもたない理由として、非の部分がわりあい多かったり、あるいは、一定の分子量をもたず分子量が分布している事などが理由であるというのが定説である。(※ 数研出版のチャート式化学などでも、このような見解。なお検定教科書では、どちらか一方のみを紹介してたりする。)
 
なお、高分子化合物であっても、タンパク質などのように天然に由来するものは、分子量のばらつきが少ない。
 
== 付加重合 ==
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アミド結合によって重合した化合物を'''ポリアミド'''(polyamide)という。
 
エステル結合によって重合した化合物を'''ポリエステル'''(polyester)という。
 
=== ナイロン66 ===
アジピン酸 <chem>HOOC-(CH2)4-COOH</chem> とヘキサメチレンジアミン <chem>H2N-(CH2)6-NH2</chem> との縮合重合によって、ナイロン66が得られる<ref>6,6-ナイロンとも言われる。ナイロン66の6はそれぞれ、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの炭素数6に由来している。</ref>
 
この、ポリアミドを繊維にしたものを'''ナイロン'''(nylon)という。
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:: [[ファイル:Nylon6_formula_jp.svg|700x700ピクセル|ナイロン6の合成式。]]
 
また、このように、環状分子が開環して 鎖状のポリマーに重合することを'''開環重合'''(ring-opening polymerization)という。アミド結合を持つ環状化合物を'''ラクタム'''という。
 
=== アラミド繊維 ===
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アラミド繊維の一例として、原材料にテレフタル酸ジクロリド <chem>Cl-CO-Ph-CO-Cl</chem>と、p-フェニレンジアミン <chem>H2N-Ph-NN2</chem> とを重合させると、p-フェニレンテレフタルアミドという化合物になる。
 
ひじょう非常に丈夫であり、引っ張り強度も高く、耐熱性・難燃性もすぐれるので、防弾チョッキや消防服などに使用される。{{clear}}
 
== ポリエステル系合成繊維 ==
エステル結合 -COO- によって連なった高分子化合物を'''ポリエステル'''(polyester)という。
 
ポリエステルは、合成繊維のほかにも、合成樹脂としても使われる。{{clear}}
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[[ファイル:Ester_in_PET_jp.svg|サムネイル|500x500ピクセル|ポリエチレンテレフタラートのエステル結合。]]
このPETは水を吸いにくい性質が有る。 飲料用の容器のPETペットボトルは、このポリエチレンテレフタラートを用いていられる。
 
また、ポリエステル繊維は しわ になりにくいので、衣服にも用いられる。
 
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== 付加重合 ==
 
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[[ファイル:Acrylonitrile-2D.png|サムネイル|150x150ピクセル|アクリロニトリル]]
[[ファイル:Polyacrylonitrile-PAN.png|サムネイル|ポリアクリロニトリルの構造式]]
'''アクリロニトリル''' CH<sub>2</sub>=CH-CN を付加重合させたものを'''ポリアクリロニトリル'''とい。ポリアクリロニトリルを主成分するした繊維を'''アクリル繊維'''、CH<sub>2</sub>=CH-CNいう。 ポリアクリロニトリルは疎水性であり、そ二重結合ままでは染色しづらい部分ある、ポリアクリロニトリル繊維に添加物として酢酸ビニル CH<sub>2</sub>=CH-が、付加重合をして一重結合にOCOCH<sub>3</sub> ることで、他との結合が可能にな団を混ぜて、染色性を高める。
 
アクリロニトリルを付加重合させたものを'''ポリアクリロニトリル'''という。ポリアクリロニトリルを主成分とした繊維を'''アクリル繊維'''という。 ポリアクリロニトリルは疎水性であり、そのままでは染色しづらいので、ポリアクリロニトリル繊維に添加物として酢酸ビニル CH<sub>2</sub>=CH-OCOCH<sub>3</sub> などの原子団を混ぜて、染色性を高める。
 
アクリル繊維の肌触りは羊毛に似ていて、やわらかい。
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アクリロニトリルを窒素などの不活性気体中で、温度200℃ から段階的に温度を上げ 温度3000℃程度の高温で熱分解すると、炭素を主成分とする'''炭素繊維'''(カーボンファイバー)が得られる。炭素繊維は強度が優れている。
 
カーボンファイバーは、テニスラケットなどのスポーツ用品や釣竿に用いられている。 航空機の翼の材料の一つにも、カーボンファイバーは用いられている。{{clear}}
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=== ポリビニルアルコール系合成繊維 ===
 
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[[ファイル:Pva.png|サムネイル|150x150ピクセル|ポリビニルアルコールの構造式]]
酢酸ビニルCH<sub>2</sub>=CH-OCOCH<sub>3</sub> を付加重合させて、ポリ酢酸ビニル[-CH<sub>2</sub>-CH(OCOCH<sub>3</sub>)-]<sub>n</sub> を作り、これを水酸化ナトリウムNaOHでけん化すると'''ポリビニルアルコール''' -[CH<sub>2</sub>-CH(OH)]- <sub>n</sub> とCH<sub>3</sub>COONaになる。
 
ポリビニルアルコールは、ヒドロキシ基を多く持ち、水溶性が高いので、そのままでは繊維には使えない。洗濯のりとして、ポリビニルアルコールは用いられる。
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このアルデヒドで環にする反応を'''アセタール化'''という。アセタール化によって親水基のOH基が減ったので、ビニロンは水に溶けなくなり、繊維として使える。ビニロンには親水基が残っているため、ビニロンの繊維は吸湿性を持つ。
 
ビニロンは、防護ネットや漁網などに用いられる。 ビニロンは1939年に日本の桜田一郎によって開発された合成繊維である。
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; 酢酸ビニル
 
酢酸ビニルそのものの作り方は、エチレンCH<sub>2</sub>=CH<sub>2</sub> に適当な触媒(たとえば酢酸パラジウム)を用いて、酢酸CH<sub>3</sub>COOH と反応させると、酢酸ビニルCH<sub>2</sub>=CH-OCOCH<sub>3</sub> が得られる。
 
: <math> \mathrm{ 2CH_2=CH_2 + 2CH_3COOH + O_2 \rightarrow 2CH_2=CH-OCOCH_3 + 2H_2O }</math>
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アイソタクチックは、このような耐久性のよい性質のため、ポリプロピレンの日用品などにはアタクチック構造のものが使われている場合が多い。
 
※ 範囲外: ポリエチレンについてのその他の情報{{コラム|ポリエチレンの応用 (※ 範囲外)|
:※ 下記のポリエチレンの応用例は、産業の動向とも関わってくるので、入試に出ない。
 
{{コラム|ポリエチレンの応用 (※ 範囲外)|
 
* ポリエチレン