「高等学校数学B/数列」の版間の差分

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例題の解答を追加しました。括弧を追加しました。
整式で表される数列の和の取り方を追加しました。
130 行
\sum _{k = 1} ^n k = \frac{n(n+1)} 2
</math>
を得る。また、この事実を用いると
:<math>
\sum _{k = 1} ^n k^2 = \frac 1 6 n (n+1)(2n+1)
</math>
が得られる。ここでは数列<math>\sum _{k = 1} ^n k^l </math>(lは1,2)について導出を行うが、同様の方法は任意の自然数lについて用いられる。
 
*導出
:<math>
\sum _{k = 1} ^n k = S_{n}
</math>
とおくと、
:<math>
S _{n+1} - S _{n} = n+1
</math>
が成り立つ。この時、
:<math>
S _{n} = an^2 + bn + c
</math>
(a,b,cは実数)とおく。このようにおく理由は直接には、数列<math>a _n = n^2</math>について
:<math>
a _{n+1} - a _n = (n+1)^2 - n^2 = 2n+1
</math>
となり、nに関する1次式が現れ、この形が
:<math>
S_{n+1} - S_{n} = n+1
</math>
の結果と似ていることである。<!--また、後の発展で別の理由を述べる。-->この時、
:<math>
S _{n+1} - S _{n} = n+ 1
</math>
から、a,bは、
:<math>
\textrm{lhs} =a (n+1 )^2 - b (n+1)^2 - an^2 - bn
= 2an + a - b = \textrm{rhs} = n+1
</math>
となり、この結果が全てのnについて成り立つとすると、
:<math>
a = b =\frac 1 2
</math>
が得られる。更に、
:<math>
S_1 = 1
</math>
となるようにcの値を定めると、
:<math>
S_n= \frac 1 2 n^2 + \frac 1 2 n + 0 = \frac {n(n+1)} 2
</math>
が得られる。
:<math>
\sum k^2
</math>
についても同様だがこの時には、
:<math>
\sum _{k=1} ^n k^2 = S(n) = an^3 + bn^2 + cn +d
</math>
とおいて、実数a,b,c,dを定める。
<!--
*発展 数列の和と不定積分の関係
 
後に[[高等学校数学II]]で[[w:積分]]を扱うが、その中でxの関数f(x)とx軸の間の面積は、f(x)のxに関する積分で表されることを述べる。この時、ある数列<math>a _n</math>の和は、<math>a _n</math>をnの関数として見た場合の各整数値での関数値に、幅1をかけた面積を足しあわせたものに等しい。
 
これらの数は、特に値を求める範囲が広い場合に近い値を与える。例えば、nが非常に大きいときには、
:<math>
\sum _{k=1} ^n k = \frac {n(n+1)} 2 \sim \frac {n^2} 2
</math>
となるが、この値は
:<math>
\int _0 ^n k dk = \frac {n^2} 2
</math>
と等しい。<math>\sum _{k=1} ^n k^2</math>に対しても同じ結果が成り立つ(ただし、積分値とnが大きいときの数列の和は、<math>\frac {n^3} 3</math>となる)。
 
ここでは、数列からその和を定めたが、積分と数列の和の関係を考えると、ある数列<math>a _n</math>の和は、その数列<math>a _n</math>をnの関数と見てその値を積分したものに似た値となることが予想される。更に、関数<math>a(n) =n</math>、<math>b(n) =n^2</math>の積分値がそれぞれ<math>\frac {n^2}2</math>,<math> \frac{n^3}3</math>となることを考えると、各々の数列の和はnの2次式、または3次式となることが予想される。実際にはこれはただの予測だが、数列の和を表す関数は1つしかないはずなので、予測が正しければここで得た値が答えとなる。ここではこの方法で答えが得られる。
-->
*問題例