「高等学校政治経済/経済/物価の動き」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Honooo (トーク | 投稿記録)
Honooo (トーク | 投稿記録)
233 行
}}
 
=== デフレと貯金 ===
さて、デフレになると、商安く買え購入できので、貯金のある人にとってその貯金がさらに価値を持ち、有利であるといえるだろう(なお、一方インフレはその貯金の価値が下がる、貨幣減らすのであっ。このようめている人、インフレとデフレ、貯金の価値不利対して、逆に作用する働く
 
さて、貯金のない人にと我々は労働力を売っては、これからオカネ対価稼がな得ていけない考えることが出来るが、デフレになると貨幣の価値は高くなるのでせっか名目の、額面上の賃金は低オカネを稼ぐために働いてもされる抑えられると見られるだろう。そうなるとすでに貯金ある人たちが貯めた貨幣と同じ金額をだけ貯めるまでにのは、より長い期間が必要になるだろう。もっとも、デフレ時に名目の賃金を下げるのは、困難やりづらいという話もある。
 
だから一般的には貯金の多い人はデフレが望ましいし、インフレだと困る、という事になる。
たとえば、かりに、日本のサラリーマン平均年収1000万円のインフレ時代があったとして、その後、デフレによって、平均年収100万円になったとしよう。(じっさいには、このような急激なデフレは起きないのが普通。あくまで、わかりやすくする目的のため、急激な例で説明している。)
 
経済学者ケインズは、20世紀前半のイギリス社会を労働者階級、企業者階級、金利生活者階級(投資家・地主階級)の3階級からなると考えていた。企業者階級が経営・管理する企業で労働者が生産に従事する、しかし金利生活者は社会の生産に大きく関与していない、それがケインズの見方だった。今現在のマクロ経済学ではこういう視点は取られていないようだが、ある出典では、このような金利生活者がインフレーションで「安楽死」することがケインズの望みだったと書かれている<ref>[http://park.saitama-u.ac.jp/~yanagisawa/het10/44-61.pdf 『第5章 ケインズの経済学』 P48] 2022年4月6日に確認</ref>。
この条件の場合、むかしは、1000万円を1年で稼げたことになる。しかし、デフレ後だと10年間、働き続けないといけない。
 
金利生活者や年金生活者、あるいは貨幣として多額の貯蓄を持った生活者は、インフレは望まないだろう<ref>[https://kotobank.jp/word/%E9%87%91%E5%88%A9%E7%94%9F%E6%B4%BB%E8%80%85-481959 コトバンク『世界大百科事典 第2版「金利生活者」の解説』 ] 2022年4月6日に確認. </ref>。一方企業者、経営者はデフレやそれに伴う不況を嫌う。
デフレが起きても、けっして、それまでの貯金が消失するわけではない。なので、年収1000万円時代の人の貯金が消えるわけではない。
 
このように、貯金の無い人にとって、デフレは不利である。(なお、インフレなら、貯金のない人には有利なのである。)
 
(※ 範囲外:)ケインズ経済学の元ネタでもある経済学者ケインズは、緩やかなインフレを、金利生活者にとっての「安楽死」と表現した<ref>[http://park.saitama-u.ac.jp/~yanagisawa/het10/44-61.pdf 『第5章 ケインズの経済学』 P48] 2022年4月6日に確認.</ref>。結局、インフレでもデフレでも、誰かが不利益をこうむる(少なくとも一時的には)。2010年以降、インフレを求める意見は市井(しせい)に多いが、しかしケインズ経済学を根拠にインフレ誘導政策を要求するなら、それは「安楽死」である自覚ぐらいはもってもらいたいものである。さて、ケインズ自身は高齢者社会保障にはあまり関心は無かっただろうが、じつは年金受給者は「金利生活者」のようなものでもある<ref>[https://kotobank.jp/word/%E9%87%91%E5%88%A9%E7%94%9F%E6%B4%BB%E8%80%85-481959 コトバンク『世界大百科事典 第2版「金利生活者」の解説』 ] 2022年4月6日に確認. </ref>。あるいは、仮に年金自身は物価に対して中立的だと仮定しても(つまり、年金を「金利」とみなすべきではないとしても)、それでも一般的に高齢者は若者に比べて貯蓄が多いの実際であり、なのでよく経済評論ではインフレは高齢者に不利だとも言われる。いちおう、日本の年金は「マクロ経済スライド」といって、インフレの場合は年金給付額もそのぶん多くなるのだが、その負担は若者に行っているわけである。ともかく、誰も負担しない物価政策など、ありえない。ケインズ風に言うなら、どの政策でも誰かを「安楽死」させるわけだ。
 
全ての人間が完全に満足充足する社会状況は作れないという指摘もあるが、インフレーションデフレーション、不況好況は現在の経済システムの中から生じる問題ではあるし、ある意味貨幣に拘った議論でもある。経済の本旨、生産と協業、分配と消費の議論から、経済社会を合理的に見渡す方法は何かないだろうか。
 
=== 日本の近年の景気 ===