「民法第705条」の版間の差分

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==条文==
([[w:債務|債務]]の不存在を知ってした弁済)
;第705条
:債務の弁済として給付をした者は、'''その時において債務の存在しないことを知っていたときは'''、その給付したものの返還を請求することができない。
 
==解説==
:債務が存在しない場合、その債務の弁済の対象として給付されたものを受領する資格はないため、それは[[不当利得]]となるので、一般原則に従い給付者は返還請求権を有するのが原則であるが、その弁済者が債務の不存在を知っていた場合は、公平の観点から返還請求権を有しないことを規定している。<br>
:判例(大判昭和16・4・19)によれば、[[過失]]により債務の不存在を知らなかった場合でも、給付者は返還を請求できる。<br>
:ただし、債務の不存在を知りつつ弁済したことに、合理的な理由(自由意思によらずに給付した場合とか、賃料不払いを口実に建物明渡請求を恐れて支払った場合など)があれば、返還請求を否定されない。<br>
:合理的な理由で、やむをえず弁済したのであれば,不当利得の返還請求を妨げないと解されている。
 
==参照条文==
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*[[民法第707条]](他人の債務の弁済)
==判例==
*#[http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=55025&hanreiKbn=02 債務不存在確認等請求] (最高裁判決 昭和43年11月13日)[[利息制限法第1条]],[[利息制限法第4条]]
#;債務者が利息制限法所定の制限をこえる利息・損害金を任意に支払つた場合における超過部分の充当による元本完済後の支払額の返還請求の許否
*[http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=51960&hanreiKbn=02 過払金返還請求](最高裁判決 昭和44年11月25日)[[利息制限法第1条]],[[利息制限法第4条]]
#:利息制限法所定の制限をこえる金銭消費貸借上の利息・損害金を任意に支払つた債務者は、制限超過部分の充当により計算上元本が完済となつたときは、その後に債務の存在しないことを知らないで支払つた金額の返還を請求することができる。
 
*#[http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=51960&hanreiKbn=02 過払金返還請求](最高裁判決 昭和44年11月25日)[[利息制限法第1条]],[[利息制限法第4条]]
#;債務者が利息制限法所定の制限をこえた利息・損害金を元本とともに任意に支払つた場合と右制限に従つた元利合計額をこえる支払額に対する不当利得返還請求の許否
#:債務者が利息制限法所定の制限をこえた利息・損害金を元本とともに任意に支払つた場合においては、その支払にあたり充当に関して特段の意思表示がないかぎり、右制限に従つた元利合計額をこえる支払額は、債務者において、不当利得として、その返還を請求することができると解すべきである。
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{{前後
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|[[民法第706条]]<br>(期限前の弁済)
}}
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[[category:民法|705]]