「民法第703条」の版間の差分

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#;銀行が相続財産である預金債権の全額を共同相続人の一部に払い戻した場合について他の共同相続人にその法定相続分相当額の預金の支払をした後でなくても当該銀行には民法703条所定の「損失」が発生するものとされた事例
#:甲銀行に対し預金債権を有していた丁の死亡により,乙,丙及び戊が当該預金債権を相続したのに,甲銀行が当該預金債権の全額を乙及び丙に払い戻したこと,乙及び丙は,戊の法定相続分相当額の預金については,これを受領する権限がなかったにもかかわらず,払戻しを受けたものであり,この払戻しが債権の準占有者に対する弁済に当たるということもできないことなど判示の事情の下においては,甲銀行が戊にその法定相続分相当額の預金の支払をした後でなくても,甲銀行には民法703条所定の「損失」が発生したものというべきである。
#[http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=33931&hanreiKbn=02 損害賠償請求事件](最高裁判例 平成18年12月21日)[[民法第362条]]
#;破産管財人が破産者の締結していた建物賃貸借契約を合意解除した際に賃貸人との間で破産宣告後の未払賃料等に敷金を充当する旨の合意をして上記賃料等の現実の支払を免れた場合において破産管財人は敷金返還請求権の質権者に対して不当利得返還義務を負うとされた事例
#:破産管財人が,破産者の締結していた建物賃貸借契約を合意解除するに際し,賃貸人との間で破産宣告後の未払賃料等に破産者が差し入れていた敷金を充当する旨の合意をし,上記賃料等の現実の支払を免れた場合において,当時破産財団には上記賃料等を支払うのに十分な銀行預金が存在しており,これを現実に支払うことに支障がなかったなど判示の事情の下では,破産管財人は,敷金返還請求権の質権者に対し,敷金返還請求権の発生が阻害されたことにより優先弁済を受けることができなくなった金額につき不当利得返還義務を負う。
#[http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=34238&hanreiKbn=02 不当利得返還請求事件](最高裁判決 平成19年03月08日)
#;法律上の原因なく代替性のある物を利得した受益者が利得した物を第三者に売却処分した場合に負う不当利得返還義務の内容