「高等学校物理/力学」の版間の差分

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127 行
====運動量と力積====
 
この章では[[w:運動量]]を扱う。運動量は[[w:運動方程式]]を変形することで定義される。
この量は、物体の衝突に置いてエネルギーと並び、
保存量となる重要な量である。また、この章では[[w:力積]]という量も導入する。
力積は運動量の時間変化を表わす量であり、その導出は運動方程式を用いて
成される。
169 行
</math>
に時間<math>\Delta t</math>をかけたもので、運動量の時間変化に等しいことが分かる。
よって、物体にかかる力積は、物体の運動量の変化量に等しいことが分かった。
 
分かった。
*発展 微分と変化量
ここでは、短時間の運動量の変化率として、<math>\frac {\Delta p}{\Delta t}</math>という記述を用いているが、本来この量は[[w:微分]]を用いて定義される。ただし、指導要領の都合のため、ここではそのような記述はしていない。微分を用いた導出については、[[古典力学]]を参照。
 
 
*問題例
202 ⟶ 205行目:
運動量は、物体が全く力を受けないとき保存する。
これは物体に力が働かないときには、物体の受ける力積は0であり物体の運動量
変化も0であることから当然といえである。しかし、複数の
 
さらに、複数の物体の運動量については更にもう1つ、別の重要な性質が見られる。それは、
複数の物体のもつ運動量の総和はそれらの物体の間の衝突に際して
保存するということである。
217 ⟶ 221行目:
エネルギーは音や熱の形で物体系の外に逃げて行くのである。物体が衝突について
失うエネルギーは衝突に関わる物体が持っている物性定数によって決まる。
この係数を[[w:反発係数]]eと呼ぶ。反発係数は、物体が衝突したする前後の
物体間の相対速度の比によって定められる。
特に物体1と物体2が衝突前に速度 <math>v _1</math>,<math>v _2</math>を持っており、衝突後に
233 ⟶ 237行目:
エネルギーは失われないことが知られている。一方、非弾性衝突の
ときは物体系の全エネルギーは失われる。
 
 
 
*問題例
254 ⟶ 256行目:
となる。
 
ここで、物体系の全運動量が保存されることは、運動に関する[[w:作用反作用の法則]]から従う。
従う。
作用反作用の法則を用いると、物体系の間の衝突に際して、衝突に関わる
それぞれの物体が受ける力は、大きさが等しく向きは反対となる。
263 ⟶ 264行目:
和は上のことから0となる。しかし、全運動量の計算ではまさにそのような
全物体についての運動量の総和を計算しているので、衝突によって得られるような
力積の総和は0に等しい。よって、衝突に際して物体系の持つ全運動量は保存される。
保存される。
 
*問題例
284 行
速度と同じ速度で動きだすことが知られている。ここでは、それらの
結果が計算によって確かめられることを見ることが出来る。
衝突後の物体の速度をそれぞれ物体1については<math>vvv _1'</math>,物体2については
<math>vvv _2'</math>とする。このとき、物体の衝突について全エネルギーが保存されることを
用いると、
:<math>
1/2 m v _1^2 + 1/2 m v _2^2
=
1/2 m vvv _1'{}^2 + 1/2 m vvv'{} _2^2
</math>
が得られる。更に、物体の衝突について物体系の全運動量が保存されることを用いると、
用いると、
:<math>
m v _1
+ m v _2 =
m vvv _1'
+ m vvv _2'
</math>
これらは、<math>vvv' _1</math>,<math>vvv '_2</math>についての2次方程式であり、解くことが出来る。
実際計算すると、解として
:<math>
(vvv '_1 ,vvv' _2 )=(v _1,v _2),(v _2,v _1)
</math>
が得られる。前者の解は衝突に際して物体の速度が変化しないことを
示しているが、これは実際の情况として考え難いので、後者の解が現実の解となる。
この結果を見ると、物体が持つ速度が入れ替わることが分かる。これは例えば、
 
このことは実際に同じ大きさの球を用いて実験を行うと、確かめることができる。
<!-- これは例えば、
<math>v _1=v,v _2=0</math>の時を考えると、衝突後の結果は
<math>v _1=0,v _2=v</math>となり、実験の結果を再現することになる。
-->
 
 
===円運動と万有引力===