「有限群論序論」の版間の差分

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構想が稚拙なのは、そうかもしれませんが、別に有限群に限って書いているわけはありません。なので、「群論基礎」とか「初等群論」、あるいは、「初等代数:群論」あたりがよろし
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→‎結合則と半群: typo修正。 →‎逆元が存在しない例: 明確化。 →‎一部だけ逆元が存在する例: 削除。モノイドであれば必ず単位元の逆元があるので、分けて論ずる意味が無い。
49 行
結合則が成り立つ代数構造のことを、'''半群'''という。
 
結合は、成り立つ場合もあるし、成り立たない場合ももちろんある。やはり、例を考えてみよう。
 
====結合則が成り立つ例====
113 行
 
====逆元が存在しない例====
自然数の集合'''N'''、足し算を+とする。自然数の集合に単位元0を加えた代数構造 ('''N''' ∪ {0} , +) について、考える。
 
このとき、どのような''k'' ∈ '''N'''をとってきたとしても、
119 行
''k'' + ''x'' = ''x'' + ''k'' = 0
 
となるような、''x''は、負の数になってしまうため、''x'' ∉ '''N''' ∪ {0}であり、 0 以外のすべての元について逆元は存在しない。
 
====一部だけ逆元が存在する例====
一部だけ逆元が存在する例は、上記のように簡単には作れない。
例えば、自然数の集合'''N'''、足し算を+とする。仮に、代数構造('''N'''∪{0,−1,−2},+)があったとしよう。
 
ただし、−1,−2は、1,2の逆元とする。すなわち、1+(−1)=0, 2+(−2) =0が成り立つものとする。
 
こうすれば、一見すると、一部だけ逆元が存在するように見える。しかし、(−1)+(−2)という演算の結果はどうなるのだろうか?代数構造は、演算の結果が、必ず、元の集合の中に入っていなければならなかった。すなわち、
 
(−1)+(−2)∈ '''N''' ∪ {0,−1,−2}
 
でなければならなかったのだが、(−1)+(−2)=(−3)と、(−1)+(−2)が、3の逆元であることが、(1+2)+((−1)+(−2))より、わかってしまう。3の逆元は、'''N'''∪{0,−1,−2}では定義してなかったから、−3∉ '''N'''∪{0,−1,−2}であるはず。これは、矛盾。
 
結局、背理法より、('''N'''∪{0,−1,−2},+)は代数構造ではないという結果が出てしまう。このように、('''N'''∪{0},+)の一部だけ、逆元を作ろうと思うと、結局、任意のm ∈ '''N'''に対して、逆元を作らなければ、代数構造にならなくなってしまう。
 
しかし、簡単には思いつかないだけで、一部の元のみについて、逆元が存在するような代数構造は、いくらでもある。
 
===群の定義===