「民法第708条」の版間の差分

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[[法学]]>[[民事法]]>[[コンメンタール民法]]>[[第3編 債権 (コンメンタール民法)]]>[[民法第708条]]
 
==条文==
([[:w:不法原因給付|不法原因給付]])<br>
 
第708条 不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。
第708条
第708条 :不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。
===改正前===
第708条
:第708条 不法ノ原因ノ為メ給付ヲ為シタル者ハ其給付シタルモノノ返還ヲ請求スルコトヲ得ズ。但不法ノ原因ガ受益者ニ付テノミ存シタルトキハ此限リニ在ラス。
==解説==
===意義===
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#但し、衡平を斟酌し、不法の原因が、もっぱら「受益者」のみにある場合、例えば、不法原因について受益者が作出した場合、この限りでなく、不当利得として返還を請求することができる。
#法は、不法をなすものには手を貸さないという「[[クリーンハンドの原則]]」の表明。
 
===要件===
#給付が存在していること 
#:「給付」があるといえるためには、相手方に終局的な利益を与えるものでなければならない。
:#::[[動産]]:「引渡し」があること。
:#::[[不動産]]:「引渡し」で足りるか否か、争いあり。
:#::[[債権]]:移転、変動などの意思表示
#給付の原因が、不法なものであること。
##:「不法な原因」とは、[[民法第90条|公序良俗]]に反してなされた給付とされる(判例)。なお、強行規定に反しているだけでは、「不法」とまで言いえず、態様が倫理感覚に反していることが求められる。
#不法の原因に給付者が自らの意思で加担していること。
##:意思形成過程に瑕疵等があれば、錯誤などを理由として加担の意思の不存在を主張しうる。
 
====具体例====
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#しかし、これが、いわゆる「いかさま賭博」であった場合、これは一方的に負けることが確定しているのであるから、そもそも賭博ではなく「詐欺」の類である(刑法論としても同旨)。従って、これは、詐欺取消しの上、但書が適用され、返還を請求できる事例となる。
 
====代表的判例====
 
===効果===
:不当利得として、返還を請求することはできない。
*::給付者は、[[w:物 (法律)|物]]であれば所有権を失い、債権であれば、その権利を失う。
 
====代表的判例====
*[http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=31252&hanreiKbn=01 約束手形金請求](最高裁判例 昭和28年01月22日)
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[[category:民法|708]]