「デコヒーレンスの本」の版間の差分

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''排反事象''
 お互いに排反である(矛盾している)事象A,Bの起こる確率に対して、単純な和の法則が成り立ちます。
<math>P(A)+P(B)=P(A \cup B)</math>
 
もしも事象AとBが排反でない(特に矛盾していない)ならば、次の和の法則が成り立ちます。
<math>P(A)+P(B)-P(A \cap B)=P(A \cup B)</math>
 
量子力学では、波動関数の絶対値の2乗が、ある状態が実現する確率(確率密度)を表す事が知られています。
:<math> \left. \Phi^*(x) \Phi(x) = P(x) \right.</math>
 
簡単な例ですと、ある物体が2つの量子状態を持つとします。波動関数はこのようになります。
:<math> \left. \Phi (A \cup B) = \Phi(A) + \Phi(B) \right.</math>
 
すると、その波動関数に対応した確率密度はこのようになります。
:<math> \left. P(A \cup B) = P(A) + P(B) + P_{interference}\right.</math>
ここで、
:<math> \left. P(A)=\Phi^*(A)\Phi(A) \right. </math>
:<math> \left. P(B)=\Phi^*(B)\Phi(B) \right. </math>
:<math> \left. P_{interference}=\Phi^*(A)\Phi(B)+\Phi^*(B)\Phi(A) \right. </math>
 
この<math> \left. P_{interference} \right. </math>は量子干渉と呼ばれ、ヤングの干渉実験での縞々に対応しています。ところが、次の関係があることがわかると思います。
:<math> \left. P_{interference}=-P(A \cap B) \right.</math>
 
符号はさておき、干渉は状態AとBが同時に起こる確率に相当します。つまり、量子力学においては、異なる量子状態の間に量子干渉が存在する限り、それらの状態を排反事象(矛盾する状態)であるとは言えなくなってしまう訳です。
(つづく)
 
''この項は書きかけです。''